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【医師監修】出生前診断と着床前診断はどう異なる?それぞれの診断でわかることとは?

2021.04.16

出生前診断と着床前診断は名称が似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、出生前診断と着床前診断の内容や、それぞれの診断でわかることを解説していきます。これから妊娠や出産を希望している方は、ぜひとも参考にしてみてください。

 

出生前診断とは?診断の内容とメリット

出生前診断とは、赤ちゃんを出産する前に、妊娠中の段階で行う検査のことです。広い意味では妊婦健診で行う超音波検査なども含まれますが、主に染色体異常や遺伝性疾患を調べる検査を出生前診断と呼んでいます。

 

出生前診断は、“確定診断”と“スクリーニング検査”に分類されています。確定診断とは、その検査を行うことで診断をほぼ確定できる検査のことです。一方、スクリーニング検査では異常の確率を判定し、陽性の結果が出たら確定診断を行う流れとなることが一般的です。

 

確定診断には、羊水検査や絨毛検査が含まれ、これらの手法では破水や流産のリスクがあるものの、診断を確定させることができます。スクリーニング検査には母体血清マーカーテスト、超音波検査が含まれ、いずれも破水や流産などのリスクは伴いません。

 

近年は採血だけで実施できるNIPT(新型出生前診断)という手法が登場し、出生前診断の種類も多様になっています。

 

出生前診断でわかる異常の種類は検査によっても異なりますが、羊水検査やNIPT(新型出生前診断)ではダウン症候群、パトー症候群、エドワーズ症候群といった発生率の高い染色体異常を調べることができます。

 

着床前診断とは?診断の内容とメリット

 

出生前診断では“妊娠後”の検査となるのに対し、着床前診断では“妊娠前”に検査を行うことになります。出生前診断と着床前診断では、検査を行うタイミングが異なるのです。

 

出生前診断のように妊娠したあとの検査では、仮に陽性の結果(染色体異常の可能性が高い)が通知された場合、妊娠を継続すべきかどうか苦渋の選択を迫られます。どのご夫婦も授かった我が子を出産したい気持ちはあるものですが、経済事情や親亡きあとのことを考えて、やむを得ない選択をする方もいます。

 

一方、着床前診断の場合は、受精卵の段階で遺伝子や染色体の異常を調べ、異常が検出されなかった受精卵を子宮に戻していきます。したがって、出生前診断のように結果を受けて悩む心配がないという利点があります。

 

着床前診断には、着床前単一遺伝子疾患検査(PGT-M)と着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)、着床前染色体構造異常検査(PGT-SR)という3つの検査があります。PGT-Mはご夫婦のどちらか、または双方が遺伝性疾患の保因者の場合に受け、PGT-Aは染色体異常のない受精卵を選んで異常や流産が生じる確率を下げたい場合に受けます。現在行われている着床前診断は、PGT-Aが多くを占めています。

 

なお、着床前染色体構造異常検査(PGT-SR)は、ご夫婦のどちらかに転座や逆位などの均衡型の染色体構造異常がある場合に受ける検査です。転座も逆位も染色体の構造に関わる異常です。転座は染色体の一部が切れて、他の部位や他の染色体に結合する異常です。逆位は染色体の切断が2箇所で生じ、反対側に結合することで、遺伝子配列の順序が逆転する異常を指します。

 

着床前診断にも種類がありますが、両親が遺伝性疾患や転座、逆位といった異常の保因者でない限りは、PGT-Aが選ばれることになります。

 

※着床前診断を受けた場合でも、羊水検査などの出生前診断を行わないとは限りません。

 

着床前診断は今後どのように広まっていく?

 

着床前診断は、海外でも行われている検査ですが、国や地域によって規制などは異なります。着床前診断では受精卵の選別を行うことになりますが、これが“命の選別”につながるという意見もあります。着床前診断の倫理的な側面や、国内での動向について知っておきましょう。

 

◆着床前診断の問題点と倫理的課題

着床前診断の技術では希望の性別の赤ちゃんが生まれる受精卵を選ぶことで、男女産み分けもほぼ確実(統計上98%以上と言われています。)に可能となります。性別を産み分けるようになれば、男女の比率が偏ることを懸念する声もあります。

 

また、赤ちゃんの異常や性別について受精卵の段階からわかることについて、「赤ちゃんのプライバシー」を侵害してしまうのではないかという考え方もあります。

 

一方で、着床前診断の実施に賛成であり、この検査を必要としている方々もいます。不妊で悩む人が妊娠率を上げる、流産によって母体に負担がかかることを回避できるという利点もあるためです。欧米などでは、ファミリーバランシングが目的で男女の産み分けを行うケースも少なくありません。

 

着床前診断には問題点や倫理的課題もありますが、実際には検査の利点もあり、国によっても規制の仕方には違いがあります。

 

◆着床前診断の広がり

着床前診断に関しては賛否両論ありますが、日本でも2020年から臨床研究が開始されています。この臨床研究に参加を希望する場合、女性の年齢は問われませんが、学会が指定した条件に当てはまる必要があります。2回以上胚移植に成功していない「反復ART不成功」、2回以上流産を経験している「反復流産」、ご夫婦のどちらかに「均衡型転座」のある(流産経験は問われません)方となり、この条件に当てはまらない方は受けることができません。

 

また、日本で着床前診断を受けるには、日本産婦人科学会に申請し、認可を受ける必要があります。この手続きを終え、実際に検査を開始するまでに時間がかかる可能性はありますが、条件を満たせば実施できる方向に動き始めています。少しずつではあるものの、日本国内でも着床前診断の解禁に向けて動き出している状況といえます。

 

出生前診断を受けようか悩んでいる方はB&C Healthcareの着床前診断プログラムという選択肢もある

 

日本国内では、着床前診断の臨床研究を受けるためにはいくつかの制限があり、人数も限られています。しかし、株式会社B&C Healthcare(B&C Healthcare)という会社の着床前診断プログラムではそのような制限がなく、希望者が検査を受けることができます。

 

また、日本では男女の産み分けを目的とした検査はできませんが、B&C Healthcareの着床前診断プログラムであれば、希望の性別の子供が生まれる受精卵を選ぶことで、高い確率(統計上98%以上と言われています。)での産み分けが実現します。

 

B&C Healthcareの着床前診断プログラムでは、日本国内の医療機関で体外受精(または顕微受精)を行ったあとで、培養した受精卵または受精卵から採取した細胞のDNAを増幅します。このDNAを米国の機関に輸送します。かつては受精卵を輸送する選択肢しかありませんでしたが、DNAだけを輸送する方法も選択できる体制になっています。

 

妊娠してから出生前診断を受けると、場合によっては厳しい決断が迫られます。受精卵の段階で異常を調べ、希望の性別の赤ちゃんを授かりたいという思いがあるご夫婦は、B&C Healthcareの着床前診断プログラムを視野に入れてみても良いかもしれません。

監修

一倉絵莉子 先生
六本木ヒルズクリニック

産婦人科医 / 六本木ヒルズクリニック 日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員 日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

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