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【医師監修】着床前診断を不妊クリニックで受けるには?条件や費用について解説

2021.09.30

妊娠前に受精卵の遺伝子を調べられる着床前診断。遺伝病や繰り返す流産を回避できるメリットがありますが、その条件、費用はシビアです。今回は着床前診断を受けるための条件や費用について、詳しく解説していきます。

着床前診断を不妊クリニックで受ける条件

不妊クリニックで着床前診断を受ける場合、次の条件のうちいずれかを満たしている必要があります。

流産を繰り返している

妊娠初期(妊娠12週未満)で起こる流産は、胎児の染色体異常が主な原因です。染色体に異常があると着床しづらく、着床しても流産してしまうリスクが大きいといわれています。

着床前診断で染色体を検査すると、染色体異常による流産を避けられるとして、着床前診断が認められています。流産を防ぐことで心身への負担軽減が期待でき、出産までの期間を短縮できるメリットがあります。

深刻な遺伝病の不安がある

ご夫婦のいずれかが重篤な遺伝病の遺伝子をもっている場合、一部の病気に限って着床前診断による遺伝子検査が認められています。

国内の不妊クリニックで承認された例としては、デュシエンヌ型筋ジストロフィー、副腎白質ジストロフィーなどがあります。

着床前診断の現状

日本国内のクリニックで着床前診断を受けるご夫婦は、実際どのくらいいらっしゃるのでしょうか。ここでは日本の着床前診断の実際について解説します。

着床前診断の実施件数

着床前診断を不妊クリニックで受けるには、医師が日本産科婦人科学会へ申請を送り、承認を受ける必要があります。日本産科婦人科学会から承認が下りるまで、平均で半年ほどかかるとされています。

日本産科婦人科学会が承認した着床前診断は、平成27年までの17年間で約500件ほどです。この数を見るだけでも、着床前診断がいかに狭き門かが分かります。

令和2年からは、染色体数を調べるPGT-A(着床前診断のひとつ)の大規模臨床研究が開始されました。ですがPGT-Aを認可されたクリニックはまだ少なく、希望するご夫婦すべてが着床前診断を受けられる状況になるには、まだまだ長い道のりが必要と考えられます。

適応する遺伝病は限られる

着床前診断のひとつであるPGT-Mは、深刻な遺伝子病を回避する目的でおこなわれます。ただし前述したとおり、承認される病気は一部に限られています。一部に限定する理由は、着床前診断の拡大が命の選別につながるのではという懸念からです。しかし、遺伝病が心配なのに過去の事例にないから諦めざるを得ない、そうしたご夫婦がいらっしゃるのも事実です。

日本産科婦人科学会が認める遺伝病の範囲は、今後拡大していくと考えられています。ですがこの点は学会内でも慎重に議論が交わされているため、一朝一夕で承認疾患が増えるというのは現時点で考えにくいでしょう。

男女産み分け目的の着床前診断は不可

着床前診断は、技術的には男女の産み分けが可能です。ですが、残念ながら男女産み分けを目的とする着床前診断は日本産科婦人科学会からの承認が下りません。

性別によって発症が左右される遺伝病の場合、男女どちらかにするか選択できるケースがあります。そうした例外を除けば、国内における不妊クリニックでは原則不可です。

着床前診断の費用

着床前診断の条件をクリアできない場合、海外に渡航して着床前診断を受けるという方法もあります。ですが、気になるのはその費用です。ここでは国内の不妊クリニックで受ける着床前診断、そして海外渡航による着床前診断について比較していきましょう。

不妊クリニックで着床前診断を受ける場合

不妊クリニックで着床前診断が受けられる場合、費用はおよそ100万円ほどといわれています。内訳としては、

・不妊検査
・遺伝カウンセリング
・採卵
・胚生検
・遺伝子
・染色体検査
・胚移植

これらの各項目で費用が発生します。クリニックによって違いがあるのはもちろんのこと、採卵回数や検査する胚の数が多いほど費用が上乗せされていくので、同じクリニックでの着床前診断でもご夫婦によって差が生じます。

着床前診断で助成金は受けられる?

自治体によっては、不妊クリニックで受ける着床前診断で助成金が受けられます。補助金額は自治体ごとに異なるので、お住まいの地域で確認してみましょう。

海外渡航で着床前診断を受ける場合

日本産科婦人科学会の認可が下りなくても、海外渡航で着床前診断を受けることは可能です。産み分け目的の着床前診断が許可されている国なら、ご希望の性別を選択することもできます。

ただし費用は高額です。渡航先によっても変わりますが、アメリカで受ける場合は渡航費用を合わせて500万円ほどになるケースも珍しくないようです。また一定期間の海外渡航が必要になるため、休みが取りにくい業種では難しいといえるでしょう。

 

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受精卵だけ海外渡航させる方法もある

「日本産科婦人科学会の条件に合わない」「海外渡航しようにも費用が高額」

こうした壁の前では、着床前診断を諦めるしかないのでしょうか。最近は第3の選択肢として、受精卵だけが海外渡航する新しいプログラムが登場しています。

B&C Healthcareの着床前診断プログラムとは

株式会社B&C Healthcareが提供する着床前診断は、日本国内で体外受精した受精卵を米国検査機関に凍結輸送するプログラムです。妊娠に結びつきやすい受精卵を選んで日本に輸送されたのち、国内医療機関にて胚移植がおこなわれます。

このプログラムを活用すれば、日本産科婦人科学会の条件に当てはまらないご夫婦でも日本国内にいながら着床前診断を受けることは可能です。B&C Healthcareが提携するSEQUENCE46は、これまでに2万検体以上の検査をおこなってきた実績のある検査機関です。日本のご夫婦に限定しても1000検体以上の着床前診断を実施しているので、日本から輸送された受精卵の取り扱いにも長けています。

B&C Healthcareの利用条件

B&C Healthcareの着床前診断は、希望すれば誰でも受けることができます。また、男女産み分けのための着床前診断も可能です。

遺伝病の不安がある場合は、PGT-Mによる単一遺伝子検査が受けられます。目的の病気が検査可能かどうかは、事前の解析レポートでチェックされます。遺伝カウンセリングに関しては日米双方の遺伝カウンセラーが連携して対応するため、言葉の壁を心配するご夫婦でも安心して着床前診断が受けられる点は大きなメリットです。

B&C Healthcareの費用

ご希望の検査手法によって異なりますが、B&C Healthcareの着床前診断はおよそ100万円台で受けることができます。

海外の着床前診断は廉価なプランもあるようですが、「医療体制に不安を感じた」「料金面でトラブルがあった」という声も聞かれます。B&C Healthcareでは受精卵のみ海外輸送するため、コストを抑えて高精度な着床前診断を受けることが可能です。

まとめ

着床前診断は少し前まで「簡単には受けられないし、費用が高額」というものでした。ですが現在は受精卵輸送という第3の選択肢が登場し、いままで着床前診断を諦めていたご夫婦にとって希望の光となっています。着床前診断を考えているなら、こうした新しいプログラムも検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

監修

中林 稔 先生
三楽病院 産婦人科部長

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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