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【医師監修】高齢出産では発達障害のリスクが増加する?着床前診断でわかることを解説

2021.04.13

高齢出産では、発達障害の子供が生まれる確率が増加するのでしょうか。年齢を重ねると、ダウン症候群などの障害が増えることは知られていても、発達障害に関してはわからないという方もいるでしょう。今回は、両親の年齢が高くなることによって、発達障害のリスクがどれくらい増加するのか解説していきます。

 

高齢出産とは

 

日本産科婦人科学会によると、高齢出産は「35歳以上の初産」と定義されています。つまり、女性が35歳を過ぎてから、初めて出産する場合を高齢出産と呼んでいます。

 

2人目以降の出産時に妊婦さんの年齢が35歳以上となっていても、必ずしも高齢出産には当てはまりません。しかし、国際産科婦人科連合では、40歳以上で2人目を出産する場合も高齢出産に含めているため、用いる定義によって違いはあります。

 

初産婦と経産婦で高齢出産とみなされる年齢に違いがあるのは、初産の方が出産にかかわる母体リスクが大きいためといわれています。

 

初産婦、経産婦ともに、35歳をすぎると受精卵に染色体異常が発生する確率が増加します。染色体異常といえば赤ちゃんの障害というイメージをお持ちの方もいますが、そもそも着床しにくく、流産しやすいという特徴があります。

 

ダウン症候群の発生には、母親の年齢が影響することがわかっており、高齢出産になるとリスクが上昇します。20歳の妊婦さんの場合は、約1,500人に1人の確率でダウン症候群の赤ちゃんが生まれます。そして、35歳になると約400人に1人、40歳になると約100人に1人というように、発生率が増加していきます。

 

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発達障害とは

 

発達障害は、大きく自閉症スペクトラム症、学習障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の3つに分類されます。一言で発達障害といっても、障害の種類によって特徴には違いがあり、さらに個人差もあります。

 

自閉症スペクトラム症は、「ASD」と呼ばれる発達障害です。社会性と対人関係、コミュニケーションや言葉の発達に遅れがあるとされています。そして、行動や興味に偏りがあり、こだわりが強いという特徴もあります。

 

学習障害は「LD」と略される発達障害であり、全般的な知能の発達には遅れが認められないものの、学習にかかわる能力において困難がある場合がみられます。「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」という学習能力に障害があり、読むことが苦手な子供もいれば、算数が苦手な子供もいます。

 

注意欠陥・多動性障害は「ADHD」と呼ばれる発達障害です。集中力がない、じっとしていることができない、思いついたら行動してしまうなどの症状が見受けられます。

 

発達障害のある子供は、障害の程度に応じて、通常学級に通うこともあれば、特別支援学級や特別支援学校に通うこともあります。比較的軽い障害のある子供が利用する、通常学級に在籍しながら、教科の指導を別室で受けることのできる「通級指導」も用意されています。

 

近年、発達障害のある子供は増加傾向にあるといわれています。実際に通級指導を利用する子供の数も増加していますが、学校などで発達障害に対する理解と把握が進んだ結果とする見方もあります。

 

高齢出産は発達障害のリスクを増加させるのか

 

高齢出産では、ダウン症候群だけでなく、自閉症を始めとする障害のリスクも上昇するといわれています。ダウン症候群の場合は女性の年齢と関連づけて説明されることが多いですが、両親の年齢から自閉症を含む発達障害の発生率を調べた研究もあります。

 

◆高齢出産と発達障害の関係

ある研究では、女性の年齢が5歳上がると、子供の自閉症のリスクが18%上昇することがわかっています。特に、女性が40歳以上になると、25〜29歳と比べて、子供が自閉症になるリスクが倍増するといわれています。

 

高齢出産では、ダウン症候群のように染色体異常が原因となる障害だけでなく、発達障害のリスクも増加する可能性があるのです。

 

◆父親の年齢と発達障害の関係

子供の障害といえば、母親の年齢が関係しているという見方が強いですが、実は父親の年齢とも関連があることがわかっています。父親の年齢が高くなると、自閉症スペクトラム症の発症リスクが上昇するということも各国で報告されています。父親の年齢が10歳上がると、子供が自閉症スペクトラム症になるリスクが2倍以上になるというデータもあるほどです。

 

また、ADHDとの関連については、父親の年齢が45歳の場合、20〜24歳の場合と比べると、子供がADHDになる可能性が13倍になるという報告もあります。ただし、ADHDの発生に関しては諸説あり、父親の年齢が20歳未満の場合にもリスクが高まるとする見解もあります。

 

高齢出産での染色体異常が不安な場合は着床前診断を

 

両親の年齢が上がるにつれて、発達障害の発生リスクが高まることを示唆する報告もあります。高齢出産では、染色体異常のリスクも無視できないため、不安がある方は可能な限り早めに子供を出産することを計画すると良いでしょう。

 

しかし、実際には晩婚化、女性の社会進出など、さまざまな事情から高齢出産を予定している方も少なくありません。現時点で、妊娠や出産の前に発達障害の有無を知ることは難しいですが、染色体異常の有無に関しては調べる方法があります。

 

着床前診断という検査では、受精卵の段階で遺伝子と染色体の異常を調べ、異常の認められなかった受精卵で妊娠に至ることができます。染色体異常のない受精卵を選ぶことによって、ダウン症候群の可能性を減らすだけでなく、着床率を上げ、流産しにくくするという利点もあります。

 

高齢出産では、不妊、流産、ダウン症候群、発達障害など、さまざまなリスクを伴います。発達障害の発生を防ぐ絶対的な方法は確立されていませんが、高齢出産に伴う不安をひとつでも減らしたい場合は、着床前診断を検討してみても良いかもしれません。

 

ただし、日本で着床前診断を受ける条件として、過去に流産を繰り返し経験しているか、赤ちゃんに重い遺伝病が遺伝する可能性がある場合に制限されています。

 

日本国内で受けられるB&C Healthcareの着床前診断とは

株式会社B&C Healthcare(B&C Healthcare)の着床前診断プログラムであれば、希望者が受けられる仕組みになっています。

 

日本国内の医療機関で体外受精を行い、そこで得た受精卵を米国の検査機関に輸送するため、日本で行う一般的な検査のような制限を伴いません。

 

日本国内では、日本産科婦人科学会が定めた決まりにより、調べることができる遺伝的な病気に関しても制限があります。しかし、B&C Healthcareのプログラムであれば、そのような制限もなく、可能な限りの検査を行うことが可能となります。

 

米国に検体が届いてから、およそ2〜5週間で結果が通知されます。異常がないと確認された受精卵は再び日本に輸送され、それを用いて胚移植、着床、出産へと至ります。

 

また、高確率(統計上98%以上とされています)で男女の産み分けも可能となるため、ご興味があれば詳しく調べてみてはどうでしょうか。

 

 

監修

中林 稔 先生
三楽病院 産婦人科部長

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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