「二人目が欲しいけどなかなか妊娠しない」「一人目はすぐに授かったのに、なぜ?」と感じているのは、実はあなただけではありません。また一人目の不妊のケースとは違った悩みもあり、周囲に気軽に相談できずに一人で悩む方も多いのです。
そこで本記事では、二人目不妊の原因や対処法、治療について解説します。
二人目不妊とはどんな状態なのでしょうか?特徴や原因を見ていきましょう。
結論として、ハッキリとした定義は存在していません。
日本産科婦人科学会の不妊の定義は「1年以上授からない状態」を指します。このことから「一人目の出産後、避妊せずに適度にSEXをしていても1~2年以上授からない状態」は二人目不妊と考えてよいでしょう。
授からないのは、二人目ならではの影響もあります。一般的な原因を4つにまとめました。
一番大きな原因として挙げられるのは、加齢です。
一人目の出産時よりも自分もパートナーも年齢が上がっているため、当然ながら精子と卵子の質や、子宮内部の機能が低下している可能性があります。
女性は30歳を過ぎると徐々に卵子の質が低下し始め、35歳以降はグンと妊娠率が下がります。また、染色体異常や婦人科系の病気などのリスクが高まります。男性も35歳を目安に、精子の質(量や動きなど)が低下する傾向が。
特に現在は晩婚化が進み、一人目の出産時で30代の方や高齢出産(35歳以上)の方も多いのです。そのため、多くは加齢による影響で二人目不妊になるケースが多いと考えられています。
卵管機能の異常が原因なケースもあります。
卵管とは卵子を子宮内に運ぶ通り道で、卵巣から卵子を吸い出す卵管采と繋がっています。妊娠には、こうした卵管の一連の機能がスムーズに働くことが必要です。
しかし一人目の出産時やその後に、膣から菌やクラミジアが入ると「卵管炎」が発症し、卵管が狭くなったり、つまったりするなどの障害が起こるケースがあります。また子宮内膜症や下腹部の手術なども、正常な卵管の働きの妨げになることも。
こうした卵管環境の変化が不妊の原因となっていることがあります。
単純にSEXの回数が減っているケースです。妊娠には、SEXのタイミングを測ることや回数を増やすことが有効です。
しかし産後は、育児や仕事などでパートナーともに多忙になりがち。お互い生活リズムが合わなかったり、疲れたりしていて自然とSEXの回数が減ってしまうケースが起こります。
自分かパートナーのどちらかが、本来不妊の傾向であるケースも。
不妊の原因はさまざまですが、そのような中でも「一人目は偶然授かったパターン」が考えられます。よって、二人目はなかなか妊娠に至らないといったことが起こるのです。
二人目不妊には、一人目の妊活時にない特有の悩みがあります。人によりさまざまですが、ストレスや我慢は妊活に悪影響も。
一例を挙げると、
・二人目だからこそ、周りに悩んでいることを相談しにくい
・仕事や育児が忙しく、パートナーが妊活に積極的でない
・教育資金や不妊治療などの経済的な心配がある
などです。
特に一人目不妊の方からすれば「1人産んだからいいじゃない」「贅沢な悩みだ」と思われそうで、気軽にママ友や身内に相談できないことが考えられます。一方で身内からは「二人目はまだ?」などと言われ、プレッシャーになるケースも。
また一人目がいると、育児や家事、仕事にと多忙になります。するとパートナーが妊活に協力的でなかったり、お互いに体力的に積極的になれなかったりすることも。また金銭的な負担も増えるため、パートナーが二人目に後ろ向きなケースもあります。
こうした背景や悩み、プレッシャーがストレスや壁となっていることがあるのです。
こちらもおすすめ
【医師監修】30代の自然妊娠確率は何%?ステップアップするタイミングは?
「二人目不妊かも……」「防ぐ方法はあるの?」と疑問や不安に感じる方もいらっしゃることでしょう。以下では、対処法を解説します。
結論として、早めにスタートする方が有利です。「二人目不妊?」「二人目が欲しい」と感じた時点で治療や妊活を開始しましょう。
また二人目の妊活は「授乳期間の終了後」がベスト。授乳中でも生理が再開していれば妊娠することもあります。ですが授乳中はホルモンの「プロラクチン」の影響で排卵が止まり、妊娠しづらい環境です。また授乳は子宮が収縮する働きがあるため、流産のリスクも出てきます。
そのため早くに二人目の妊活や治療に望みたいなら、卒乳や断乳を早めに進めることも視野に入れましょう。
精子や卵子の質の向上は、良い生活習慣が基本です。
そのためには、
・栄養バランスの良い食生活をする
・十分な睡眠を取る
・適度なストレス発散をする
・散歩やストレッチなど、適度な運動をする
などが大切。
生活習慣が乱れている場合や生活リズムが不規則な場合は、パートナーと一緒に改善しましょう。またストレスは万病のもと。先述したような二人目不妊の特有の悩みがある場合は、パートナーや信頼できる人に相談をして1人で抱え込まないようにしましょう。
不妊と感じたら、早めに医師に相談しましょう。
インターネットや知人の紹介などで、不妊治療をおこなっている病院や専門機関を探すとよいです。メニューや流れ、費用は医療機関によって異なります。気になる機関を見つけたら、問い合わせてみましょう。
また治療は自分だけではなく、パートナーもおこなうことが大切。パートナーと一緒に受診しましょう。
病院に受診後、どのような流れで治療が進むのでしょうか?以下では、一般的な治療の流れや費用について解説します。
不妊治療の流れ自体は、一人目のケースと同じです。
原因が特定しないことには、治療の方向性が決められません。そのため、最初に原因を探るための検査をおこないます。
具体的には以下のような検査です。子宮内や排卵、精子の状態などに異常があるかを探ります。
・基礎体温の測定
・超音波検査
・クラミジア検査
・子宮卵管造影
・ホルモン検査
・精液検査
そのほか、必要に応じて腹腔鏡検査や子宮鏡検査などをおこないます。病院によって検査や流れは違うため、詳細は問い合わせましょう。
不妊治療には、以下の種類があります。
①タイミング療法:病院にて排卵日を特定し、妊娠に適したタイミングでSEXして妊娠率を高める方法です。
②人工授精:排卵の時期に、受精に適した精液を直接子宮内の奥に注入する方法です。①に比べると子宮の奥深くに注入できるため、妊娠率が高まります。
③体外受精・顕微授精:卵子と精子を採取し、専用の容器内にて受精させ(顕微授精の場合、卵子に直接精子を針で挿入します)、正常な受精卵を子宮内に移植する方法です。①と②で授からなかったときや、自分やパートナーのどちらかに受精に関する過程で障害がある場合に実施されます。
一般的には上記の①~③の順番に段階的に実施します。ステップアップに伴い、体や費用の負担が増えます。
基本的に、不妊治療は保険適用外で高額です。特に体外受精は金銭的にも負担が大きい治療。そのため、助成金を検討するとよいでしょう。
提示する条件に当てはまれば、使用可能な制度です。詳細や申請方法は、お住まいの自治体のホームページなどで確認したり、問い合わせてみたりしましょう。
二人目不妊には、一人目の不妊とは違った特有の悩みがあり、気軽に相談できずに一人で悩む方も多いもの。ですが、ストレスやプレッシャーは妊娠の妨げです。悩みは相談し、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
また不妊は早めの治療がポイント。今回紹介した対処法や治療法について、パートナーと相談して、早めに治療を検討しましょう。
株式会社B&C Healthcareでは、着床前診断のサービスを提供しています。不妊治療は不安も多いものですが、多数の実績や各専門家による相談やサポート体制も充実しており安心です。子どもを諦めたくない方、高精度な治療や産み分けをおこないたい方にはピッタリなサービスでしょう。