妊娠したと分かった瞬間の喜びは何にも代えがたいものですが、その喜びが落ち着いてきた頃に気になるのが「赤ちゃんの性別」ではないでしょうか。
ですが、赤ちゃんの性別は妊娠後すぐに分かるわけではありません。
今回は赤ちゃんの性別を調べる方法と受けるタイミング、赤ちゃんの性別に関するジンクス、赤ちゃんの性別が決まる仕組みについてご紹介します。
赤ちゃんの性別が分かるようになるのは妊娠中期くらいが目安です。ただし、検査方法によって性別が分かる週数が異なります。
赤ちゃんの性別を知るための最もメジャーな検査がエコー(超音波)検査です。男の子の場合はピーナッツ、女の子の場合は木の葉のような形の外性器が確認できます。超音波画像で赤ちゃんの性別が分かるのは、妊娠中期に入る16~18週くらいです。妊娠20週を過ぎてくると身体が発達するため、より見分けやすくなります。
エコーでは医師が画像で性別を判定しますが、赤ちゃんの体勢によっては外性器がよく分からなかったり、へその緒を見間違えたりすることがあります。実際に「エコーで女の子といわれていたけど産まれてきたら男の子だった」またはその逆のケースもあるので、エコーで告知された性別はあくまで参考として捉えておくのがベターです。
またクリニックの方針で「性別は告知しない」というところもあるので、性別を聞きたい場合は告知が可能かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
赤ちゃんの性別は、NIPT(新型出生前診断)でも分かります。NIPTとは、母体の血液を採取して胎児のDNAを調べる検査です。13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症)の先天異常を調べるのがNIPTの目的ですが、副次的に赤ちゃんの性別を知ることもできます。その的中率は99%、エコーよりも高い確率です。
ただし、施設によっては性別告知をおこなわないところがあります。たとえば日本産科婦人科学会の認定を受けているクリニックでは、性別は告知されません。なぜかというと、日本産科婦人科学会では性別検査目的のNIPTを認めていないからです。「NIPTで赤ちゃんの性別を知りたい」という場合は、認可外のNIPT施設を探す必要があります。
妊娠中に性別を知ると、次のようなメリットがあります。
・赤ちゃん用品をそろえやすい
・名前を考えやすい
・出産後の育児をイメージしやすい
産後直後は忙しいので、出産前に育児の準備をすすめておきたいと思う方は多いでしょう。性別があらかじめ分かっていればグッズを買い求めやすいですし、命名の候補も挙げやすくなります。また、男の子・女の子それぞれの育児について情報収集しやすくなる点もメリットです。
その反面、妊娠中に性別を知ることへのデメリットもあります。
・性別判定が外れることがある
・希望する性別ではなかった場合の心理的負担
エコーと同様、NIPTの性別判定も稀にですが外れる場合があります。100%正確な検査は存在しないため、聞いていた性別と違う可能性も視野に入れておかなければなりません。
そしてもう一つ忘れてはならないのが「希望の性別ではなかった場合の心理的負担」です。「元気ならどちらの性別でもかまわない」と思っていても、いざ男の子・女の子の判定を受けると心の負担になってしまう場合があります。
性別の告知を受ける前に、これらのデメリットについてご夫婦で話し合っておきましょう。
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お腹の赤ちゃんの性別は、いつの時代も家族の大きな関心事です。巷でよく耳にする「赤ちゃんの性別に関するジンクス」についてご紹介しましょう。
妊娠中は食べ物の好みが変わることがあります。このとき、フライドポテトや肉料理など塩っ気のあるものを好むようになると男の子、スイーツや果物などの甘いものを好むようになると女の子というジンクスがあります。
妊娠5ヶ月くらいから、お腹のふくらみがはっきり分かるようになります。このときお腹が前に出っ張っていると男の子、横に広がっていると女の子というジンクスがあります。
妊娠中のママの顔つきが険しくなると男の子、やわらかくなると女の子というジンクスがあります。
このほかにも「つわりが軽いと男の子、つわりが重いと女の子」「胎動が激しいと男の子、おっとりだと女の子」など挙げるとキリがありませんが、これらのジンクスに科学的な根拠はありません。噂はあくまで噂なので、占い感覚で捉えておくとよいでしょう。
赤ちゃんの性別が分かるのは早くて妊娠10週以降です。では、性別が決定するのはいつなのでしょうか?赤ちゃんの性別が決まる仕組みについて解説していきましょう。
赤ちゃんの性別を決定づけるのは、精子がもつ性染色体です。卵子がもつ性染色体はXのみですが、精子がもつ性染色体はXとYの2つに分かれます。
X卵子+X精子=XX(女の子)
X卵子+Y精子=XY(男の子)
このように、精子がもつ性染色体によって赤ちゃんの性別が決定します。ちなみにヒトのY染色体はX染色体に比べてずっと小さく、およそ1/3のサイズです。また、Y染色体はアルカリ性に強く、X染色体は酸性に強いという性質の違いがあります。
性別が決定するのは受精の瞬間です。それなら、セックスを工夫すれば希望の性別の赤ちゃんを授かることはできるのでしょうか。
結論からいえば、セックスの工夫だけでは産み分け確率はそれほど上がりません。産み分け専門の産科クリニックでは、シェトルズ法という産み分け法を指導します。Y染色体とX染色体の性質の違いを利用して、それぞれに好条件なセックスをすることで産み分ける方法です。そのほかに、産み分けサプリや産み分けゼリーを併用することもあります。
ですが、産み分けクリニックのデータによるとその成功率は7割程度に留まります。自然にまかせても約半数は希望の性別で生まれるため、この割合が高いかどうかは意見が分かれるところです。
着床前診断は、妊娠が成立する前に受精卵の遺伝子・染色体を調べる検査です。着床前診断を活用すれば、技術的にはおよそ99%の高精度な産み分けが可能とされています。
ですが、日本産科婦人科学会では産み分け目的の着床前診断を認めていません。これは実質的に「日本のクリニックでは産み分け目的の着床前診断が受けられない」ことを意味します。産み分けするために規制のない海外へ渡航するご夫婦もいらっしゃいますが、渡航にお金も時間も上乗せされるため、その負担は相当なものです。
最近では日本にいながらにして着床前診断を受けられるプログラムが登場しています。株式会社B&C Healthcareの着床前診断は「受精卵または受精卵から採取したDNAだけを海外の研究機関へ輸送する」というシステムで、ご夫婦が海外渡航する必要はありません。年齢制限は設けられておらず、産み分け目的の着床前診断でも問題なく受けられます。
お腹の赤ちゃんの性別は妊娠中期くらいにエコーで分かりますが、今はNIPTによる性別判定も可能です。ただし性別を知ることはメリットばかりではないので、よく考えた上で告知を受けましょう。
また、最近では産み分けのための着床前診断を国内で受けることができます。産み分けについて詳しく知りたいときは、資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。