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【医師監修】子どもができない…不妊治療は何から始めるべき?基本的な流れを解説

2022.06.29
子どもができない…不妊治療は何から始めるべき?基本的な流れを解説

「結婚してしばらく経つのに子どもができない」と悩んでいませんか?避妊せずに過ごしているのに妊娠しないのであれば、不妊検査を受けたほうがいいかもしれません。ですが、不妊検査や不妊治療は初めてでなかなか踏み出す勇気が出ないという方も多いでしょう。

 

ここではそんな不安を解消するべく、不妊検査や不妊治療の流れ、具体的な内容について解説していきます。2022年度からの不妊治療保険適用化についても触れているので、ぜひご一読ください。

 

不妊症とは?

不妊検査や治療についてお話する前に、まず不妊症についてお話しましょう。

 

不妊症とは、「治療しなければ自然妊娠が難しい」という状態です。避妊せずセックスしているのに6ヶ月以上妊娠しないようなら、不妊症の可能性があります。

 

妊娠は「卵子と精子が十分に成熟し、卵管や精管を通過し、受精して着床する」というすべての手順をクリアせねばならず、どれかひとつでも欠けると妊娠には至りません。

 

国の調査によると、「不妊ではないか」と心配する夫婦の割合は全体のうち約35%。3組のカップルがいればそのうち1組が不妊に悩んでいる計算です。実に多くのご夫婦がこの問題に直面しているということになります。

 

不妊治療ではどんなことをするの?

子どもができない…不妊治療は何から始めるべき?基本的な流れを解説

 

クリニックへ不妊を相談したら、どのような流れで治療をおこなっていくのでしょうか。

不妊治療でおこなうのは次の5つのステップです。

 

①不妊検査

②タイミング法

③人工授精

④体外受精

⑤顕微授精

 

はじめは自然妊娠に近いものからスタートして、様子を見ながら高度な生殖補助医療へ移っていきます(それぞれのステップの内容や治療期間はのちほど解説します)。

 

「不妊治療ってなんだか怖い…」と不安を感じるかもしれませんが、治療はご夫婦の希望に沿ってすすめられます。辛いときはいったん休んだり、途中でやめることも可能です。

 

どんな方でも、年齢を重ねるほど妊娠しづらくなっていきます。治療するかしないかは夫婦のご判断なので、まずは検査だけでも受けてみることをおすすめします。

 

不妊症かも?自分でできるセルフチェック

「子どもができない」「不妊症かも…」と思っても、いきなりクリニックへ相談するのは気が引けるかもしれません。

 

まずは普段の生活を振り返り、自分の「妊娠力」をセルフチェックしてみましょう。

 

・生理痛がひどい

・生理が不順だ

・性病にかかったことがある

・太りすぎ、やせすぎを指摘されたことがある

・年齢は35歳以上だ

・セックスのときに強い痛みを感じる

・避妊をせず月2~3回セックスしているが、半年経っても妊娠しない

・飲酒や喫煙の習慣がある

・慢性的に睡眠不足だ

・冷え性だ

・食べ物の好き嫌いが多い

 

上の項目で、当てはまるものをカウントしてください。ひとつでも当てはまれば妊娠力が低下しているかもしれません。できるだけ早めにクリニックを受診し、必要な検査を受けてみましょう。

 

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不妊検査や不妊治療では何をするの?

不妊検査や不妊治療では何をするの?

 

不妊検査や不妊治療では、具体的にどんなことを行うのでしょうか。クリニックによって方針の違いはありますが、こちらでは一般的な内容についてご紹介します。

 

①不妊検査

不妊治療をすると決めたら、まずはクリニックで不妊検査を予約します。

 

クリニックの不妊検査にはどんな項目があるのでしょうか。ここでは代表的なものを紹介していきます。

 

(女性のチェック)

・血圧測定

・基礎体温表

・ホルモン検査

・子宮卵管造影

・膣内エコー検査

 

(男性のチェック)

・精液検査

・ホルモン検査

 

不妊検査では血液を採取し、ホルモンの状態や性病抗体の有無を調べます。

 

また、基礎体温表で月経周期をチェック、膣内エコーで病変の有無や排卵状況を調べていきます。

 

子宮卵管造影検査は「痛い検査」として有名ですが、最近では造影剤が改良されたため痛みは軽減されています。また、検査後3ヶ月程度は卵管の通りがよくなることで妊娠しやすくなるメリットがあります。

 

上に示した項目のほか、不妊検査では「フーナーテスト」という試験も実施されます。フーナーテストはセックスをした翌日に頸管粘液を採取し、精子の様子を観察する検査です。この検査により精子が子宮へ到達できているかどうか、頸管粘液の中に精子の動きを弱めてしまう抗体がないかをチェックします。

 

②タイミング法

タイミング法は、医師の指導を受けながら妊娠しやすい日に性交渉をおこなう方法です。治療の中ではもっとも自然妊娠に近い手法といえます。

 

排卵日を膣内エコーでモニタリングしていくので、自己流では妊娠できなかった方にも有効です。排卵を調整するために排卵誘発剤を投与することもあります。

 

6周期ほどタイミング法を試して妊娠しないときは、人工授精へのステップアップを検討します。

 

ただし、35歳を過ぎると時間とともに妊娠する力が弱まります。体外受精は年齢が若いほど成功しやすいので、3周期程度で早めにステップアップを考えるという方もいます。

 

③人工授精

人工授精とは、あらかじめ採取した精液を子宮に注入する方法です。精子を洗浄して受精しやすい状態にととのえるので、軽い乏精子症の方は効果が期待できます。

 

また、通常のセックスよりも子宮に近い場所へ注入するため、精子と卵子が出会いやすくなるのもメリットです。

 

以前は1~3万円ほどかかっていた人工授精ですが、2022年度から保険適用となり、1回5,000~6,000円(※)程度で受けられるようになりました。

※状況に応じておこなう投薬や注射の料金は含んでいません。

 

人工授精もタイミング法と同様に3~6周期ほどおこないますが、妊娠する兆しがなければ体外受精へのステップアップを検討します。

 

④体外受精

体外受精は、処置によって採取した卵子と精子をシャーレ内で受精させ、胚へと培養して子宮へ戻す方法です。

 

高度な技術ゆえに経済面や心身の負担は大きくなりますが、タイミング法や人工授精などの治療よりも高い成功率が期待できます。

 

不妊検査で「体外受精でしか妊娠できない」と判断された場合は、タイミング法や人工授精のステップを飛ばして体外受精に臨むことがあります。40歳前でタイムリミットが迫っている場合も同様です。

 

体外受精は自費で1回20~60万円ほど必要でしたが、2022年度からは保険診療で受けられることになりました。保険診療には高額医療費制度を申請できることもあり、以前よりも金銭面のハードルは下がっているといえます。

 

⑤顕微授精

顕微授精は体外受精のうちのひとつです。体外受精と大まかな手法は同じですが、受精の方法が異なります。

 

体外受精はシャーレ内の卵子に精子をふりかけて受精させますが、顕微授精はガラス管で精子を吸い取り、顕微鏡下で卵子に直接精子を注入します。

 

精子がひとつでもあれば受精が可能なので、精子が少ない場合がある場合に効果的です。また、数回の体外受精で受精障害が疑われるときも顕微授精の適応となります。

 

顕微授精も体外受精と同様に2022年度から保険診療となっています。

 

体外受精で妊娠できないことはある?

各ステップの中でも治療効果が高いとされる体外受精ですが、不妊ブログや体験談では「体外受精をしても妊娠できなかった」という話を目にします。高度な不妊治療でも妊娠できないのは一体どうしてなのでしょうか?

 

ここではその理由と対処法について解説します。

 

体外受精で妊娠できない理由

体外受精で妊娠できないときは、以下のような理由が考えられます。

 

・受精できる卵子や精子がない

・着床できない

・着床後すぐに流産してしまう

 

年齢を重ねていくにつれて卵子は老化していきます。卵子が老化すると、受精する力が足りず妊娠には至りません。精子は毎日作られますが、やはり加齢で造精機能が衰えていくので同じことが言えます。

 

また、子宮に病変があるとうまく着床できません。受精卵に染色体異常がある場合もやはり着床できず、着床したとしても妊娠初期のうちにほとんどが流産してしまいます。

 

子宮の病変や乏精子症は治療が可能なケースもありますが、受精卵の染色体異常は治療法がありません。そのため、高度な生殖補助医療である体外受精でも妊娠が難しいのです。

 

胚の染色体異常を見分けるには?

体外受精の胚移植では、形が整っていて成長スピードに問題がないものを選びます。ですが、見た目の評価だけで染色体異常を見分けるのは困難です。「ハイグレードなのに実は染色体異常胚だった」ということはありえるのです。

 

では、胚の染色体異常を見分けるにはどうすればいいのでしょうか。

 

現在とれる手段としては、着床前診断が有効です。着床前診断では、胚の一部を採取して染色体や遺伝子情報に異常がないかを調べます。

 

染色体異常のない胚を戻すことで、着床不全や流産のリスクを減らすことができるのです。

 

着床前診断を日本で受けるには

そんな一定のメリットが見込める着床前診断ですが、日本の医療機関で受けるには厳正な審査を受けなければなりません。

 

審査を受けるには、複数回の流産歴や体外受精不成功など一定の条件を満たす必要があります。審査を受けられたとしても、承認が下りるまでに半年以上かかるケースが少なくありません。

 

審査に通らないなら、着床前診断は諦めるしかないのでしょうか。

 

幸いなことに、現在は審査に通らなくても受けられる着床前診断が登場しています。B&C Healthcareが提供する着床前診断は、胚だけをアメリカ研究機関に輸送して検査をするという画期的なプログラムです。

 

国内の医療機関のような審査は必要ありません。また胚だけを凍結して輸送するため、ご夫婦は日本にいながらにして結果を待つことができます。

 

「着床前診断は受けられないから諦めよう」という時代は遠くなりつつあるのです。

 

まとめ

今回はなかなか妊娠できないと悩んでいる方に向けて、不妊治療の流れを解説しました。不妊治療を受ければ100%妊娠できるというわけではありません。体外受精をしても着床しない、流産を繰り返すという厳しい現実もあります。

 

ただ、医学は少しずつ進歩しています。着床不全や流産を回避するための技術が向上し、以前よりも受けやすい環境が整いつつあります。年齢的に妊活を積極的に始めるかどうか迷っているという方は、一度B&C Healthcareの着床前診断について調べてみてはいかがでしょうか。

 

 

監修

中林 稔 先生
三楽病院 産婦人科部長

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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