「女の子が欲しい!」と願うご夫婦にとって、産み分けは気になるテーマでしょう。特に不妊治療中の方にとっては、授かる命の性別を希望することは自然な気持ちかもしれません。
この記事では、不妊治療で女の子を授かるための産み分け方法について詳しく解説します。産み分けはデリケートな問題でもありますが、正しい知識を身につけ、ご夫婦でよく話し合った上で、納得のいく選択をしてください。
ここでは、不妊治療と産み分けの関係、そして赤ちゃんの性別がどのように決まるのか、その基本的なメカニズムを解説します。
不妊治療とは、妊娠を希望しているにもかかわらず、一定期間(通常1年)妊娠しない場合に、妊娠を成立させるための医療行為です。タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精など、さまざまな方法があります。
産み分けは、これらの不妊治療の過程で、特定の性別の子供を授かる確率を高めるための方法と組み合わせて行われることがあります。
ただし、すべての不妊治療クリニックで産み分けを行っているわけではないため、事前に確認が必要です。産み分けを希望する場合は、対応可能なクリニックを探すことから始めましょう。
赤ちゃんの性別は、受精の瞬間に決まります。性別を決定するのは、性染色体です。女性はX染色体を2つ(XX)、男性はX染色体とY染色体を1つずつ(XY)持っています。卵子は必ずX染色体を持ち、精子はX染色体かY染色体のどちらかを持っています。
X染色体を持つ精子(X精子)が卵子と受精すると女の子(XX)、Y染色体を持つ精子(Y精子)が卵子と受精すると男の子(XY)になります。つまり、女の子を授かるには、X精子が受精しやすい環境を整えることがポイントになります。
不妊治療の現場で行われている、女の子を授かるための主な産み分け方法を具体的に見ていきましょう。
シェトルズ法は、排卵日を予測し、性交渉のタイミングを調整する方法です。X精子はY精子よりも寿命が長く、酸性の環境に強いという特徴があります。
そのため、排卵日の2~3日前に性交渉を持つことで、寿命の短いY精子が排卵日までに減少し、X精子が受精する確率を高めると考えられています。
基礎体温の計測や排卵検査薬を使用し、正確な排卵日を予測することが重要です。ただし、シェトルズ法は、あくまで確率を高めるものであり、100%確実な方法ではありません。
パーコール法は、人工授精や体外受精の際に用いられる精子選別法です。遠心分離機を使って、X精子とY精子を比重の違いで分離します。X精子はY精子よりもわずかに重いため、遠心分離するとX精子が多く含まれる層とY精子が多く含まれる層に分かれます。
女の子を希望する場合は、X精子が多く含まれる層の精子を使用して人工授精や体外受精を行います。パーコール法も、シェトルズ法と同様に、確率を高める方法であり、100%の成功を保証するものではありません。
着床前診断(PGT-A)は、体外受精で得られた受精卵の染色体を調べ、染色体異常のない受精卵を子宮に戻す技術です。PGT-Aの過程で性別も判明するため、理論上は性別を選んで子宮に戻すことが可能です。
しかし、日本では、反復流産や反復ART不成功などの条件にあてはまる一部の対象者に限りPGT-Aが認められており、性別選択を目的としたPGT-Aは原則として日本産科婦人科学会が認めていません。倫理的な問題も含まれるため、慎重な検討が必要です。
日常生活の中で、女の子を授かりやすくするための体質づくりも大切です。ここでは、食事とストレス管理のポイントを紹介します。
一般的に、腟内を酸性に保つとX精子が生き残りやすいといわれています。野菜や果物、穀物や魚中心の和食は、体への負担が少なく腟内環境が安定するとも考えられます。
また、カルシウムやマグネシウムを多く含む食品が良いとする説もあります。ただし、人の体はpHを一定に保つ仕組みを備えており、食事だけで劇的に産み分けを左右するのは難しい点を理解しておきましょう。
ストレスは、ホルモンバランスを乱し、妊娠しにくい体質になる可能性があります。また、産み分けの成功率にも影響を与えると考えられています。ストレスを感じると、体は酸性に傾きやすくなると言われています。
酸性の環境は女の子の産み分けに有利とされていますが、ストレスで妊娠しにくい体質になってしまっては本末転倒なので、適度な運動、十分な睡眠、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。
アロマテラピーやヨガ、瞑想などもおすすめです。夫婦で一緒にリラックスできる時間を持つことも大切です。
産み分けに関する研究は日々進歩しています。最新の研究と成功率について見ていきましょう。
シェトルズ法やパーコール法などを不妊治療に取り入れた場合、女の子を授かる確率はおおむね60〜80%程度と報告されることが多いです。しかし、正確なデータ収集は難しく、個人差が大きいのも事実です。
また、年齢や既往症、治療期間の長さなどによって結果は左右されます。あくまでも「確率を上げる」程度と認識し、結果に関わらず赤ちゃんを迎え入れる覚悟を持つことが大切です。
近年、精子の選別技術は進歩しており、より高精度な方法が開発されつつあります。たとえば、マイクロ流体デバイスを用いた精子選別技術は、X精子とY精子のわずかな性質の違いを利用して、より高精度に分離できる可能性があります。
しかし、これらの技術はまだ研究段階です。今後の研究の進展に期待が寄せられています。また、X精子の活動を活発にするようなサプリメントやゼリーなどの開発も進められています。
産み分けには、倫理的な問題やリスクも伴います。事前にしっかりと理解しておきましょう。
産み分けは、「命の選別」につながる可能性があるという倫理的な問題をはらんでいます。
日本では、着床前診断による性別判定は、重篤な遺伝性疾患の可能性がある場合に限定されており、性別選択を目的とした着床前診断は違法ではありませんが、日本産科婦人科学会のガイドラインによって制限がかけられています。
産み分けを検討する際には、倫理的な側面も考慮し、夫婦でよく話し合うことが重要です。
アメリカなど、国によっては性別選択を目的とした着床前診断が認められている場合があります。そのため、海外で産み分けを検討するカップルもいます。
しかし、海外での産み分けには、高額な費用がかかる、言葉の壁がある、医療水準が日本と異なる場合がある、などのリスクも伴います。海外での産み分けを検討する場合は、情報収集をしっかりと行い、信頼できる医療機関を選ぶことが大切です。
なお、株式会社B&C Healthcareでは、日本にいながらにしてアメリカの着床前診断を受けられるサービスを提供しています。着床前診断でどんなことができるのか、ぜひ一度ご相談ください。
不妊治療中に女の子を希望する場合、産み分けの方法はいくつかありますが、100%確実な方法はありません。「できれば女の子がいいな」という気持ちで、できる範囲で取り組むことが大切です。しっかりと理解・準備をして、後悔のない選択をしていただければ幸いです。
着床前診断の専門エージェントである株式会社B&C Healthcareでは、着床前診断に関する詳しい資料をご用意しております。女の子を授かりたいと思っている方は一度取り寄せてみてはいかがでしょうか。