精子には、男の子となるY染色体をもつY精子と女の子となるX染色体をもつX精子が存在しています。
卵子はX染色体のみのため、男女を決定する要因は精子側に存在していることになります。
X精子とY精子では、それぞれ活動しやすくなる条件が異なり、女の子が生まれるX精子は寿命が2〜3日と比較的長く、酸性の環境に強いと言われています。
それに対して、男の子が生まれるY精子は寿命がわずか1日であり、アルカリ性の環境に強いとされています。
このように、精子の種類によって、寿命や働きやすい膣内の酸性濃度(pH)に違いがあります。
男女産み分けの方法については、膣内の酸性濃度(pH)をコントロールする方法や特殊な技法によって精子の段階でX精子(女の子)かY精子(男の子)を選別する方法、精子と卵子が結び付き受精卵となった後にその受精卵が男女どちらかを確認する方法などがあります。
男女産み分けにはいくつか手法が存在しますが、代表的な手法とそれらの違いを下記にご紹介します。
女の子がほしい場合は、膣内の酸性濃度(pH)を酸性に、男の子がほしい場合は、膣内をアルカリ性に保ち産み分けを行う方法です。
◇産み分けゼリー
産み分けゼリーは、膣の酸性度をコントロールするゼリーです。
女の子を希望する場合は、ピンクゼリーを使用して膣を酸性の状態にし、男の子を希望する場合は、グリーンゼリーを使用し、膣をアルカリ性の状態にすることで産み分けを行います。
しかし、これらの方法については、医学的な証明は乏しく、産み分けの確率は50~60%程度で男女産み分けの方法としては確率の低い方法です。
事前にX精子とY精子を選別し希望する性別の精子を使うことで産み分けを行う方法です。
◇パーコール法
パーコール法は、分離試薬 (パーコール液) に精子を重層し遠心分離を行い精子を選別する手法です。
X精子はY精子よりも重いとされており、パーコール液に精子を入れ遠心分離すると、底に沈んだ精子はX精子の割合が高くなります。こうして事前にX精子とY精子を選別し希望する性別の精子を使うことで産み分けを行います。
パーコール法の成功率については、高い成功率をうたうクリニックもありますが、実際には50~60%程度とする意見も多くあり、男女産み分けの方法としては完全なものではありません。
また、パーコール法以外にも事前に精子を選別する方法はありますが、日本ではまだ実績が少なくやはり確実な方法ではありません。
◇着床前診断による男女産み分け
上記の通り、様々な男女産み分け法が存在しますが、精子の段階で男女産み分けを行うには限界があります。
最終的な性別は、精子と卵子が結び付き受精卵になった時点で確定するからです。
そのため受精卵の段階で性別を確認し、希望の性別の受精卵を子宮に戻す方法が男女産み分け法としては最も確実な方法となります。
着床前診断は、体外受精した受精卵が胚盤胞という状態まで成長した段階で数個の細胞を取り出し、23対の染色体の異数性を調べる検査のことです。その染色体検査の段階で性染色体についてもXY(男の子)かXX(女の子)の判定が可能なため、希望の性染色体を持つ受精卵だけを子宮に戻すことで高精度の産み分けが可能となります。
検査精度は、99%程度と言われており世界でもっとも高精度な産み分け法といえます。(※男女産み分けの精度について、100%と記載している事例があるようですが、医療分野で検査精度が100%というのは理論的にあり得ないため、どれだけ高精度であっても100%と表記することはできません。)
また妊娠率についても、着床前診断によって染色体異常のない受精卵を選んで移植を行うため、75~80%程度と非常に高く、さらに流産の可能性を低くすることができるというメリットもあります。
着床前診断による男女産み分けは他の産み分け方法と比較して、費用はある程度高額になってしまいますが、産み分け精度と妊娠率が格段に高いため、最終的に『望んだ性別の赤ちゃんを出産する』という目的に対する成功率は最も高い方法となります。
B&C Healthcareの着床前診断については、弊社が提携する米国検査機関において、すでに、日本国内のご夫婦に対して千件を超える実績があります。
また、最終的に検査結果と異なる性別の赤ちゃんが生まれたという事例は1件も報告されておらず、安心して皆様にご利用いただける方法となっています。