株式会社B&C Healthcare 受精卵の染色体・遺伝子検査事業

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着床前診断について

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着床前診断とは

着床前診断とは、「受精卵の段階でその遺伝子や染色体を解析し、受精卵が子宮に着床して妊娠する前に、遺伝子や染色体に異常がないかどうかを調べる医療技術」です。
(※「着床前診断」という名称は、現在では「着床前遺伝学的検査(PGT)」という名称に変更されていますが、一般的に浸透していない状況のため、弊社HPでは「着床前診断」という表記に統一しています。 )
着床前診断は、着床する前の受精卵に対して行う検査ですが、目的によって3種類に分類されています。

PGT-A 着床前胚染色体異数性検査

流産を減らし着床率をあげる目的で、偶然起こる染色体の異数性を調べる検査です。

PGT-SR 着床前染色体構造異常検査

ご夫婦のどちらかに転座や逆位などの均衡型の染色体構造異常がある場合に受ける検査です。

PGT-M 着床前単一遺伝子疾患検査

ご夫婦が保因する特定の単一遺伝子疾患を継承しないようにするための検査です。
※PGT-Mを実施する場合は、染色体の異数性を調べるPGT-Aを同時に実施します。

着床前診断を実施することで、流産を予防し、体外受精の妊娠率を高めたり、ご夫婦にある染色体構造異常や遺伝子異常が遺伝することを防いだり、男女の性別を事前に判定する事ができます。
現在、日本国内で実施されている体外受精では移植する受精卵の選択を形態的な評価が中心になっていますが、形態だけでなくその受精卵の中身(染色体)の異常の有無を調べることで、着床しやすく、流産しにくい受精卵を選ぶことができます。

着床前診断の歴史と海外の状況

 
着床前診断の歴史は長く、1990年に最初の出産例が報告されており、ヨーロッパ不妊学会に登録されているだけで2007年までに5,000人以上、着床前診断が何の制限もなく実施されている米国を含めるとこれまでに何万人もの赤ちゃんが誕生していると推測されますが、着床前診断が原因で異常が生じたとの報告は1例もありません。1992年に最初の出産例が報告され、現在一般的な不妊治療として実施されている細胞質内精子注入法(ICSI)による顕微授精より長い歴史を持っていることになります。
また、着床前診断は世界中の多くの国々で実施されている技術です。米国、オーストラリア、英国、フランス、ベルギー、北欧、ロシア、ギリシャ、トルコ、アルゼンチン、中国、韓国、インド、タイ、マレーシアなど、ほとんどの国で実施されており、人口割合からみると世界の95%以上において実施されている技術です。
特に米国等では、着床前診断による男女産み分けに規制がありませんので、「ファミリーバランシング」を目的とした産み分けに関しても一般的に実施されています。

着床前診断のメリット

PGT-Aによる着床率の向上

米国での研究論文の報告によると、最新技術のNGS法のPGT-Aを受けることによって体外受精で胚盤胞移植を実施した場合の受精卵1個あたりの着床率が28%から70%以上に上昇したと報告しています。
染色体に異常のない受精卵を子宮に戻すことにより、妊娠率が飛躍的に向上することを示しています。

PGT-Aによる流産の減少

流産の原因の多くは、染色体異常

米国での研究論文の報告によると、最新技術のNGS法のPGT-Aを受けることによって体外受精で胚盤胞移植を実施した場合の受精卵1個あたりの着床率が28%から70%以上に上昇したと報告しています。
染色体に異常のない受精卵を子宮に戻すことにより、妊娠率が飛躍的に向上することを示しています。

35歳以上の受精卵の6割以上が染色体異常

こうした染色体異常は特殊な事例だと思う方も多いと思います。しかし、一般の受精卵にもかなり高い割合で染色体異常が認められています。20~34歳の方でも59%、35~39歳の方では63%、40~47歳の方では74%、つまり3/4に染色体異常が認められます。

染色体異常を持った受精卵の割合
 
正常
 
その他染色体異常
 
トリソミーなどの異常
こういった染色体異常のある受精卵の殆どは臨床妊娠にさえ至らず、着床しない、あるいは生化学的妊娠で終わってしまいます。

染色体異常を持つ受精卵の9割以上が着床できない

染色体の数に異常のある受精卵の内、臨床妊娠に至らないものの割合
 
臨床妊娠に至るもの
 
着床しないか化学流産に終わるもの
上記の図から、染色体異常のある受精卵の殆どは、着床しないか生化学的妊娠で終わってしまいます。もし、臨床妊娠まで至ったとしても、上述の通り大半は流産に終わってしまいます。
着床前診断で染色体異常のない受精卵を選んで子宮に戻してあげることによって、体外受精で妊娠された後の流産の可能性を大きく減らすことができます。また、臨床妊娠に至る可能性の高い受精卵を選んであげることで、体外受精の妊娠率を上げることも可能です。

お子様を持つことを諦めなくて良い

「PGT-SR 着床前染色体構造異常検査」や「PGT-M 着床前単一遺伝子疾患検査」の技術が進んだことによって、これまで染色体構造異常や遺伝子疾患の影響を受ける可能性を考えて、お子様を持つことを諦めていたご夫婦が妊娠を希望することも可能となりました。
妊娠が成立する前の受精卵の段階で調べるため、羊水検査よりも前の段階で検査が可能になることから、妊娠を継続すべきかどうかという選択でご夫婦が悩まれることもなく、女性の負担を軽減することができます。
弊社では、染色体構造異常があるご夫婦や、特定の遺伝子疾患の保因者であるご夫婦からのご相談も受け付けています。

PGT-Aによる高精度な男女産み分け

着床前診断(PGT-A)では、体外受精した受精卵が胚盤胞という状態まで成長した段階で数個の細胞を取り出し、23対の染色体の異数性を調べます。23対目の性染色体XYが男性で、XXが女性です。
希望の性の染色体をもつ受精卵だけを子宮に戻し、無事に着床し、妊娠・出産に至れば、高精度な産み分けが可能となります。
日本では、産み分けゼリーやパーコール法など、さまざまな産み分け方法がありますが、どれも完全な方法ではなく、着床前診断による産み分け以外は高精度な方法ではありません。

日本国内の現状

 
これまで着床前診断を日本国内で受けることは非常に難しい状況でした。
しかし、2019年に日本産科婦人科学会によるPGT-AのPilot Studyが終了し、2020年より臨床研究が開始されました。

この臨床研究に参加を希望する場合、女性の年齢は問われませんが、学会が指定した条件に当てはまる必要があります。
対象は、2回以上胚移植に成功していない「反復ART不成功」、2回以上流産を経験している「反復流産」、ご夫婦のどちらかに「均衡型転座」のある(流産経験は問われません)方となり、この条件に当てはまらない方は受けることができません。
この臨床研究は、学会に認可された全国の数十施設で、数千人規模の患者様に対して実施される予定ですが、すでにPilot Studyでは胚移植当たりの妊娠率が70%程度、流産率は10%程度という有用性を示す結果が出されています。
このように、少しずつではありますが、着床前診断は日本国内での解禁に向けて動きつつあります。

しかし、この臨床研究が終了するまでに数年を要すること、また上記の通り研究に参加するための条件があるため、対象となるのは一部の方のみの状況です。
また、臨床研究では性別の判定は行わない為、男女産み分けを実施することはできません。さらに「PGT-M 着床前単一遺伝子疾患検査」に関しては対象外となります。

  日本の現状 B&C
産み分け 不可 可能
適応 反復ART不成功
反復流産
均衡型転座
制限なし
承認 学会認可施設の承認が必要 不要
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