着床前診断とは、「受精卵の段階でその遺伝子や染色体を解析し、受精卵が子宮に着床して妊娠する前に、遺伝子や染色体に異常がないかどうかを調べる医療技術」です。
(※「着床前診断」という名称は、現在では「着床前遺伝学的検査(PGT)」という名称に変更されていますが、一般的に浸透していない状況のため、弊社HPでは「着床前診断」という表記に統一しています。 )
着床前診断は、着床する前の受精卵に対して行う検査ですが、目的によって3種類に分類されています。
流産を減らし着床率をあげる目的で、偶然起こる染色体の異数性を調べる検査です。
ご夫婦のどちらかに転座や逆位などの均衡型の染色体構造異常がある場合に受ける検査です。
ご夫婦が保因する特定の単一遺伝子疾患を継承しないようにするための検査です。
※PGT-Mを実施する場合は、染色体の異数性を調べるPGT-Aを同時に実施します。
米国での研究論文の報告によると、最新技術のNGS法のPGT-Aを受けることによって体外受精で胚盤胞移植を実施した場合の受精卵1個あたりの着床率が28%から70%以上に上昇したと報告しています。
染色体に異常のない受精卵を子宮に戻すことにより、妊娠率が飛躍的に向上することを示しています。
米国での研究論文の報告によると、最新技術のNGS法のPGT-Aを受けることによって体外受精で胚盤胞移植を実施した場合の受精卵1個あたりの着床率が28%から70%以上に上昇したと報告しています。
染色体に異常のない受精卵を子宮に戻すことにより、妊娠率が飛躍的に向上することを示しています。
こうした染色体異常は特殊な事例だと思う方も多いと思います。しかし、一般の受精卵にもかなり高い割合で染色体異常が認められています。20~34歳の方でも59%、35~39歳の方では63%、40~47歳の方では74%、つまり3/4に染色体異常が認められます。
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正常 |
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その他染色体異常 |
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トリソミーなどの異常 |
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臨床妊娠に至るもの |
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着床しないか化学流産に終わるもの |
「PGT-SR 着床前染色体構造異常検査」や「PGT-M 着床前単一遺伝子疾患検査」の技術が進んだことによって、これまで染色体構造異常や遺伝子疾患の影響を受ける可能性を考えて、お子様を持つことを諦めていたご夫婦が妊娠を希望することも可能となりました。
妊娠が成立する前の受精卵の段階で調べるため、羊水検査よりも前の段階で検査が可能になることから、妊娠を継続すべきかどうかという選択でご夫婦が悩まれることもなく、女性の負担を軽減することができます。
弊社では、染色体構造異常があるご夫婦や、特定の遺伝子疾患の保因者であるご夫婦からのご相談も受け付けています。
着床前診断(PGT-A)では、体外受精した受精卵が胚盤胞という状態まで成長した段階で数個の細胞を取り出し、23対の染色体の異数性を調べます。23対目の性染色体XYが男性で、XXが女性です。
希望の性の染色体をもつ受精卵だけを子宮に戻し、無事に着床し、妊娠・出産に至れば、高精度な産み分けが可能となります。
日本では、産み分けゼリーやパーコール法など、さまざまな産み分け方法がありますが、どれも完全な方法ではなく、着床前診断による産み分け以外は高精度な方法ではありません。
しかし、この臨床研究が終了するまでに数年を要すること、また上記の通り研究に参加するための条件があるため、対象となるのは一部の方のみの状況です。
また、臨床研究では性別の判定は行わない為、男女産み分けを実施することはできません。さらに「PGT-M 着床前単一遺伝子疾患検査」に関しては対象外となります。
日本の現状 | B&C | |
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産み分け | 不可 | 可能 |
適応 |
反復ART不成功 反復流産 均衡型転座 |
制限なし |
承認 | 学会認可施設の承認が必要 | 不要 |