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【医師監修】非確定的診断は低リスク?検査を受ける前に知っておきたいこと

2021.07.27

35歳以上で出産する高齢出産では、ダウン症などの染色体異常の割合が高くなるといわれています。染色体異常を調べるには羊水検査や絨毛検査がありますが、流産リスクが心配という方も多いでしょう。

そこで今回は、流産リスクがきわめて低い非確定的診断についてご紹介します。非確定的診断の注意点も解説していきます。

出生前診断は確定的・非確定的診断の2つ

出生前診断とは、お腹の赤ちゃんの染色体や発育に大きな問題がないかを調べる検査・診断のことです。出生前診断は、確定的診断と非確定的診断に分けることができます。

確定的診断:絨毛検査・羊水検査
非確定的診断:エコー検査・NIPT・母体血清マーカー検査・コンバインド検査

確定的検査は、妊婦のお腹に針を刺して羊水や絨毛(妊娠初期の胎盤組織)を採取する方法です。
0.3~1%の確率で流産・破水のリスクがありますが、直接DNAや染色体を調べられるので精度が高くなります。

それに対し非確定的診断は、染色体異常の疑いがあるかどうかを診る検査です。
確定的診断と比べて精度は劣りますが、最近では高精度なNIPTも利用されるようになりました。
非確定的診断は母体の血液やエコーによって検査ができるため、確定診断と比べて低リスクです。

 

非確定的診断の種類

非確定的診断にはいくつか種類があります。代表的なものをご紹介しましょう。

エコー検査

妊婦健診でもおこなわれている、一般的な検査方法です。

エコー検査では、耳の位置の異常やNT(首のうしろの膨らみの部分)の厚み・心臓の壁の欠損状況などから、染色体異常のリスクを評価していきます。
目で見て判定するという性質上、医師の経験や技量によって精度が左右されます。

母体血清マーカー検査

妊娠15~18週の時期に、母体の血液を採って検査をおこないます。

母体血清マーカー検査のうち、3物質(AFP・uE3・hCG)を調べるのがトリプルマーカー、4物質(AFP・uE3・hCG・インヒビンA)を調べるのがクアトロテストです。
この検査では21トリソミー(ダウン症)・18トリソミーのほか、二分脊椎症のリスクがないかを探っていきます。

コンバインド検査

コンバインドとは混合を意味する言葉です。非確定的診断では、超音波検査と採血を組み合わせた検査のことを指します。
超音波によるNT値と、母体血清マーカーによる数値で21トリソミー・18トリソミーの疑いがないかを調べます。
血清マーカーを組み合わせることで、超音波検査単体よりも精度が上がります。

NIPT

新型出生前診断と呼ばれる比較的新しい検査です。
検査に必要なのは母体の血液で、21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーの疑いを調べます。
妊娠10週から検査が可能なため、母体血清マーカー検査よりも1ヶ月ほど早く受けることができます。また、非確定的診断の中でも精度が高いのが特徴です。

 

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非確定的診断前に知っておきたいこと

非確定的診断は、母体や胎児の身体的負担が少ないのがメリットです。その反面、デメリットも存在します。検査を受ける前に、しっかり確認しておきましょう。

結局は確定診断が必要

非確定的診断で知ることができるのは「染色体異常の疑いがあるかどうか」、あくまでも可能性に過ぎません。赤ちゃんに染色体異常がないのに検査に引っかかってしまう、もしくは染色体異常があるのに検査では問題ないと判断される可能性もあります。NIPTなど精度の高い手法も登場していますが、100%確実ではないことを知っておきましょう。

また、非確定的診断で染色体異常が疑われた場合は、診断を確定するために結局は羊水検査や絨毛検査が必要になります。これら確定診断は、0.3~1%の低い確率ではあるものの、流産や破水をまねくおそれがあります。

非確定的診断だけでは全ての病気は分からない

出生した全ての赤ちゃんのうち、4%前後が先天性疾患(生まれつきの病気)を持っているとされています。
このうち、出生前診断で分かるのはたった25%ほどです。

非確定的診断では21トリソミー・18トリソミー・13トリソミー・二分脊椎症の疑いを評価できますが、それ以外の病気については検査しても分からないのです。
非確定的診断を受ける際は、その点をよく理解しておきましょう。

難しい決断を迫られる場面も

妊娠しているうちに染色体異常が分かれば、赤ちゃんが生まれてくるまでの間に心の準備を整えておく時間が得られます。しかし、人の心がそれほど冷静でいられるとは限りません。
出生前診断をきっかけに、大きなショックを受けるご夫婦やご親族が多くいらっしゃるのも事実です。

ご夫婦を取り巻く環境によっては、妊娠の継続を断念せざるを得ないこともあります。
赤ちゃんを諦めることによる身体的・精神的な苦痛は、計り知れません。出生前診断を受ける際は、こうしたデメリットもよく考慮しておく必要があります。

妊娠前に染色体を検査するには?

出生前診断は妊娠後にしかおこなえないため、さまざまなデメリットをはらんでいます。では妊娠する前、つまり受精卵の状態で検査する方法はあるのでしょうか。ここからは、妊娠前に検査を受けられる着床前診断について解説していきます。

着床前診断なら妊娠前に検査ができる

着床前診断とは、体外で受精した胚の染色体・遺伝子検査をおこない、できるだけ健康な胚を選んで母体に着床させる方法です。
染色体異常のある受精卵は流産につながりやすいため、染色体異常のみられない胚を選ぶことで妊娠が継続されやすくなります。
また、妊娠する前に染色体や遺伝子を調べられることも着床前診断の大きなメリットです。

日本における着床前診断の現状

着床前診断は誰でも受けられるものではありません。日本産科婦人科学会により、以下のように規定されています。

・染色体異常が原因とされる流産を繰り返している場合
・症状の重い疾患を遺伝する可能性が高い場合

また、男女産み分けを目的とする着床前診断は、日本産科婦人科学会の規定では認められていません(性別が密接に関わる遺伝病を除く)。

日本で着床前診断を受けられなかったご夫婦が、海外の病院を訪れるケースも見られます。しかし高額な着床前診断に加え渡航費用が必要なこと、医療的な細かい説明を聞きたいときに言葉の壁が邪魔をすることなど、難しい面もあります。

B&C Healthcareの着床前診断とは

株式会社B&C Healthcareは、日本国内で採取した受精卵またはDNAを米国検査機関に輸送し、国内にいながら着床前診断を受けられるプログラムをご用意しております。検査を終えて日本に返送された胚は、国内の医療機関で母体へ移植されます。

B&Cが提供するこのプログラムは、自然妊娠では着床が難しいご夫婦、遺伝病を心配されるご夫婦のひとつの選択肢になります。着床前診断自体は米国でおこなわれるため、男女産み分けをご希望することも可能です。検査精度は約99%、産み分けゼリーやパーコール法と比べて非常に高い精度となっています。

 

まとめ

非確定的診断は低リスクではありますが、偽陰性・偽陽性になることも知っておく必要があります。疑いが出た場合、羊水検査・絨毛検査などの確定的診断が必要です。妊娠後の検査である以上、どうしてもリスクを伴うことを理解しておきましょう。

妊娠前に染色体異常を調べたい場合は、着床前診断という方法があります。これまでは海外渡航を余儀なくされるご夫婦も多くいらっしゃいましたが、B&C Healthcareが提供する着床前診断プログラムなら日本国内で受けることが可能です。この機会に、ぜひB&C Healthcareの着床前診断を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

監修

山内香里先生
栄エンゼルクリニック

三重大学医学部医学科卒業。市立四日市病院にて初期研修後、同院にて産婦人科勤務。 現在栄エンゼルクリニックにて産婦人科診療を行う。産婦人科専門医、日本女性医学会会員。

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