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【医師監修】検査でわかる赤ちゃんの染色体異常の種類とは

2021.04.23

赤ちゃんを授かれば誰しも嬉しい気持ちがこみ上げるものですが、「染色体異常があったら…」という不安を抱えている方もいるでしょう。赤ちゃんの染色体異常にはどのような種類があり、どんな検査を受ければ出産前に知ることができるのでしょうか?今回は、赤ちゃんの染色体異常の種類や調べ方について解説していきます。

 

赤ちゃんの染色体異常1.ダウン症候群

 

ヒトの染色体はすべて2本で1対のペアになっており、22組の常染色体、1組の性染色体があります。通常は合計で23組46本の染色体がありますが、21番目の常染色体が3本になると“21トリソミー”という染色体異常が生じます。

 

21トリソミーとはダウン症候群のことであり、つり上がった小さな目や低い鼻など特徴的な顔つきの赤ちゃんが生まれます。約半数が心臓の病気を、約10%が消化管の病気を合併することも特徴です。

 

ダウン症候群の子供では、運動機能がゆっくりと発達していきますが、知的障害の有無や程度には個人差があります。特別支援学級や特別支援学校に通い、就労に至る方もいます。赤ちゃんに生じる染色体異常のうち、ダウン症候群は特に発生率が高い病気とされています。

 

また、母体の年齢とダウン症候群の赤ちゃんを授かる確率には密接な関係があることがわかっています。妊婦さんの年齢が20歳で約1,500人に1人、35歳で約400人に1人、40歳で約100人に1人の発生率となります。

 

赤ちゃんの染色体異常2.エドワーズ症候群

 

赤ちゃんの染色体異常には、エドワーズ症候群と呼ばれるものもあります。エドワーズ症候群は18番目の常染色体が3本になる染色体異常であり、“18トリソミー”といわれています。

 

エドワーズ症候群は女の子に多く、男女比は1:3とされています。ダウン症候群と同じように、妊婦さんの年齢が高くなると発生率が上昇すると考えられています。

 

エドワーズ症候群の赤ちゃんは、残念ながら死産となってしまうことが多いです。赤ちゃんが出生できた場合も、先天性心疾患や呼吸不全などが原因となり、1歳までに亡くなってしまう割合が約90%とされています。しかし、まれに10歳を超えても元気に過ごしている方もいるため、個人差はあります。

 

赤ちゃんの染色体異常3.パトー症候群

 

パトー症候群は、13番目の常染色体が3本に増える染色体異常であり、“13トリソミー”といわれる病気です。赤ちゃんの多くには脳や心臓、消化管に奇形が認められます。

 

パトー症候群も流産してしまう可能性が高い染色体異常であり、出生できた場合でも1歳時の死亡率は約9割とされています。ただし、パトー症候群の赤ちゃんの中には1年以上生存できるケースもあり、個人差もあります。パトー症候群の子供は成長障害を伴うケースが多く、発達はゆっくりと進んでいきます。

 

パトー症候群も母体の年齢が高まると発生率が上昇し、高齢出産ではリスクが増大すると考えられています。

 

赤ちゃんの染色体異常4.ターナー症候群

 

ターナー症候群は、ヒトの持つ染色体のうち、性染色体に生じる異常に起因する病気です。性染色体には「X」と「Y」がありますが、女性の性染色体は「XX」という組み合わせになっています。このXが足りないか、一部が欠けている染色体異常がターナー症候群となります。

 

ターナー症候群は女の子にのみ生じる染色体異常であり、発生率は出生する女児のうち、約4,000名に1人とされています。女の子の赤ちゃんには発生率が高い染色体異常とされています。

 

ターナー症候群の症状としては無月経や女性器の発育不全などが挙げられ、中には性的成熟がみられないケースもあります。さらに、ターナー症候群の赤ちゃんが成長すると低身長や肥満体型になることが多いといわれています。

 

低身長に対して成長ホルモンを用いたり、卵巣の機能不全に対して女性ホルモンを補充したりと、状態に応じて必要な治療を進めていくことになります。

 

赤ちゃんの染色体異常5.クラインフェルター症候群

 

クラインフェルター症候群は、ターナー症候群と同様に、性染色体に生じる異常です。通常、男の子の性染色体は「XY」という組み合わせになりますが、余分なX染色体を持ち、「XXY」となる異常によって発生します。

 

出生する男児のうち、約500人に1人の割合で発生するとされており、頻度の高い染色体異常となります。

 

クラインフェルター症候群では、男性ホルモンの産生が少なくなるため、二次性徴がみられない、体毛が少ないといった症状が見受けられます。無精子症や乏精子症になるため、不妊症の原因にもなります。

 

クラインフェルター症候群は、幼少期に診断されるケースもありますが、思春期になってわかることもあれば、不妊をきっかけにわかることもあります。痩せ型、長い手足、高身長という外見的な特徴があることが多く、学習障害などが認められる方もいます。

 

筋肉注射で男性ホルモンを補充する治療が一般的であり、ホルモンの欠乏による症状を緩和します。

 

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赤ちゃんの染色体異常を事前に知りたいなら検査を

 

赤ちゃんを出産する前に染色体異常があるかどうかを確認しておきたい場合、妊婦さんが受けることができる検査もいくつかあります。出産までの間を不安な気持ちとともに過ごすよりも、検査を受けて心の準備をしたいと考える方も少なくありません。

 

◆胎児超音波検査では何がわかる?

胎児超音波検査(エコー検査)では、母体の腹部に機械を当てて、赤ちゃんの様子を確認します。妊婦健診ですべての妊婦さんが受ける検査です。施設によっては、胎児超音波で赤ちゃんの内臓の形や心臓、頭蓋内などをより詳しく調べる胎児スクリーニング検査を施行しているところもあります。胎児スクリーニング検査により、胎児奇形や胎児発育不全、羊水量異常を確認することができ、染色体異常の可能性を考慮することができます。また妊娠初期の経膣超音波検査では「NT」と呼ばれる赤ちゃんの首の後ろの厚みなどから、染色体異常などが疑われるケースもあります。ただ、確定診断とはならないため、異常が疑われた場合、他の検査を受ける選択をする方もいます。

 

◆染色体異常を調べる検査の種類

染色体異常について知りたい場合は、羊水検査やNIPT(新型出生前診断)などの検査を視野に入れてみると良いでしょう。いずれも出生前診断に含まれ、羊水検査は確定診断、NIPT(新型出生前診断)はスクリーニング検査に該当します。

 

羊水検査はお腹から針を刺して羊水の一部を採取する分、検査精度が高く、診断を確定させることができる一方で、感染や破水、流産のリスクがあります。NIPT(新型出生前診断)は採血だけで実施する簡便な検査ですが、診断を確定させられず、陽性の結果であれば精度の高い羊水検査を受けることになります。

 

妊娠してから受ける出生前診断では、赤ちゃんに染色体異常があるとわかったときに、妊娠を継続すべきかどうか思い悩んでしまう方もいます。そんなときは、妊娠の成立に至る前に実施する着床前診断を受けるという選択肢もあります。

 

赤ちゃんの染色体異常が心配なときは着床前診断を

 

着床前診断は、受精卵から遺伝子や染色体の異常を調べる検査です。異常のない受精卵で妊娠に至り、赤ちゃんの流産や染色体異常のリスクを下げることを目的としています。また、わずかに流産の可能性がある羊水検査を受けることも避けられる可能性があります。(※着床前診断を受けて妊娠した場合も、羊水検査を必ず回避できるとは限りません。また、必ずしも生児を得られるわけではありません。)

 

日本では学会が定めた条件がありますが、株式会社B&C Healthcare(B&C Healthcare)の着床前診断プログラムであれば、国内にいながらにして検査を受けることができます。受精卵もしくは受精卵の細胞のDNAを増幅して米国の研究所に輸送する体制によって、日本で着床前診断を受けられる仕組みになっています。

 

B&C Healthcareの着床前診断では、1番〜22番の常染色体と、XYの性染色体について検査を行います。ダウン症候群やパトー症候群、エドワーズ症候群、性染色体に生じる異常をカバーできる検査であるため、赤ちゃんの染色体異常が不安な方は検討してみると良いでしょう。

 

赤ちゃんの染色体異常について心配な方は、B&C Healthcareの着床前診断について詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

 

 

監修

一倉絵莉子 先生
六本木ヒルズクリニック

産婦人科医 / 六本木ヒルズクリニック 日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員 日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

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