「1人目、2人目で同じ性別の赤ちゃんが生まれると、3人目も同じ性別になる」という噂を聞いたことはありませんか?SNSの情報では、その確率は70%とも80%とも囁かれているようです。
この噂は本当なのでしょうか?今回は3人目の赤ちゃんの性別について、確率とデータをもとに検証していきます。
実は3人きょうだいの性別構成を示すデータは少なく、厚生労働省の人口動態でも第1子・第2子・第3子の人数が確認できるのみでそれぞれの性別は分かりません。噂を裏付ける根拠がない以上、本当かどうかは怪しいところです。
しかしインターネットでは「私の周りには3兄弟・3姉妹がすごく多い」という情報をたびたび見かけますし、「噂は本当かも」と感じさせる要素があります。
真偽を確かめるためにまずはそれぞれの性別パターンと確率について考えてみましょう。
1年間で生まれる赤ちゃんの男女比はだいたい1:1ですが、厳密にはほんの少し偏りがあります。女の子の赤ちゃんを100とすると男の子はおよそ105、男の子の方が少しだけ多く生まれるのです。男の子が多いのは日本だけではなく、世界中でその傾向がみられます。
ですが「なぜ男の子が多いのか」というはっきりとした理由はまだ分かっていません。
105:100の性比を確率にすると、女の子が約48.8%、男の子が約51.2%になります。3人子を産んだ場合、性別のパターンは8通りです。全てのパターンの確率を算出すると下のようになります。
性別のパターン | 確率(%) |
男男男 | 13.4 |
男男女 | 12.8 |
男女男 | 12.8 |
男女女 | 12.2 |
女男男 | 12.8 |
女男女 | 12.2 |
女女男 | 12.2 |
女女女 | 11.6 |
合計 | 100.0 |
この表でもっとも確率が高いのは男の子の3兄弟です。逆にもっとも確率が低いのは女の子の3姉妹です。両者を合わせると3人同性になる確率は25%で、全体の1/4になります。
日本のある地域で3人きょうだいを調べた論文によると「男男男」「女女女」のパターンはそれぞれ14%前後でした。理論値よりも少し高くなっていますが、それほど差はありません。「女女男」のパターンも約16%と理論値より高めなので、もしかしたら「上の子2人が同性」ということが3人目妊娠の動機付けになっているのかもしれません。
では、同性が2人続いたときの3人目の性別はどうでしょうか。
論文では「男男男」が約14%なのに対し「男男女」は約12%。「男男男」が「男男女」上回っていますが、噂のように70~80%というほどの差はありません。また「女女女」は約14%、「女女男」は約16%でむしろ「女女男」の割合が多くなっていました。
つまり「3人目が70~80%の確率で同性になる」は考えにくいことが分かります。
全体的に見ると、3人きょうだいが同性になる割合はそこまで多いわけではなさそうです。しかし、個人レベルで男の子が生まれやすい、女の子が生まれやすい体質や環境はあるのでしょうか。
性別が決まる仕組みをおさらいしながら考えてみましょう。
性別を決定づけるのは精子がもつ染色体です。精子はX染色体をもつもの(X精子)とY染色体をもつもの(Y精子)の2つに分かれます。X精子が卵子と結びつけば女の子が、Y精子が卵子と結びつけば男の子が生まれます。
では、X精子とY精子の数は1:1なのでしょうか。実は精液中に精子の数が多いほどY精子の割合が高くなるといわれています。また、男性が高齢だとY精子が少なくなるという報告もあります。
X精子とY精子の特徴について、もう少し掘り下げてみましょう。
それぞれの違いをまとめると、次のようになります。
(X精子)
・酸性環境に強い
・生存期間が長め
・大きくて重い
・スピードが遅い
(Y精子)
・アルカリ性環境に強い
・生存期間が短め
・小さくて軽い
・スピードが速い
膣内は普段酸性に保たれていますが、排卵日に分泌される粘液によってアルカリ性に傾きます。セックスのタイミングが排卵日当日なら、アルカリ性の膣内でスピードの速いY精子が有利です。排卵日の1~2日前なら、酸性の膣内で卵子と出会うまでじっと生存できるX精子が卵子と結びつきやすくなります。
つまり、セックスの傾向や体質でどちらか一方の性別が生まれやすくなるのは理論上あり得るということになります。
では、X精子とY精子の違いを利用して産み分けをすることは可能なのでしょうか。産み分け専門の産婦人科クリニックでは、シェトルズ法(タイミング法)という産み分け法を指導します。シェトルズ法はセックスのタイミングや方法を工夫し、X精子もしくはY精子に有利な環境を整える方法です。膣内を酸性もしくはアルカリ性にする産み分けゼリーも併用されます。
ですが、これらの産み分け法を実践してもその成功率はおよそ70%前後です。約70%というと成功率が高いように思えますが、自然にまかせても希望の性別が生まれる確率はおよそ50%です。環境や体質によって男女どちらかが生まれやすいことはあるかもしれませんが、それを人為的に作り出すのは難しいといえます。
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【医師監修】産み分けゼリーの値段と産み分けできる確率について
上2人が同じ性別だけれど、3人目は違う性別の赤ちゃんを授かりたい。そんなとき確実に産み分ける方法はあるのでしょうか?
100%希望する性別の赤ちゃんを授かれる産み分け法は現時点ではありません。今のところ最も確率が高い方法は着床前診断です。
着床前診断は受精卵の染色体や遺伝子を調べる技術です。
病気や流産のリスクが少ない受精卵を着床させるための検査ですが、受精卵の性別を調べることも可能です。着床前診断は100%の確率とまではいきませんが、99%という高い確率で産み分けが可能とされています。
ただし、この着床前診断は誰でも受けられるわけではありません。日本国内のクリニックで着床前診断を受けられるのは、流産を繰り返しているご夫婦、もしくは深刻な遺伝病が懸念されるご夫婦だけです。
着床前診断を受けること自体は違法ではありませんが、受けられるクリニックがないのが実情です。規制のない海外で着床前診断を受けるにしても、渡航費用負担や海外で医療を受ける際の不安が大きく、踏み切れるご夫婦はそう多くはありません。
産み分けに着床前診断が有効なものの、日本のクリニックでは厳しい条件で規制されています。この壁の前に、多くのご夫婦が着床前診断を諦めざるを得ませんでした。
ですが最近では受精卵や受精卵から取り出したDNAだけを海外渡航させる着床前診断プログラムが登場しています。
株式会社B&C Healthcareが提供する着床前診断は、日本から輸送された受精卵やDNAを米国の実績ある研究機関が診断します。流産や遺伝病のリスクがないご夫婦でも着床前診断が受けられ、男女産み分けの申し込みも可能です。
「同性が2人続くと70~80%の確率で同じ性別の赤ちゃんが生まれる」ということはあり得ませんが、環境や体質によって、同じ性別の赤ちゃんが生まれやすくなるということはあるでしょう。
B&C Healthcareの着床前診断プログラムなら、日本にいながらにして高精度の産み分け確率をもつ着床前診断を受けられます。3人目の赤ちゃんをご検討される際に、一度資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。