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【医師監修】「卵子も歳をとる」って本当?卵子の年齢を検査する方法はある?

2023.04.12
「卵子も歳をとる」って本当?

「卵子も歳をとる」という話を聞いたことはありますか?卵子の質は35歳ごろから徐々に低下していくため、このように表現されることがあります。

 

これから妊活をする人の中には「私の卵子は大丈夫なの?」と不安に感じる人もいるかもしれません。

 

そこで今回は、卵子が歳をとるとどういう変化が起こるのか、今からできる対策はあるのかといった内容について解説します。

 

卵子は年齢と同じ数だけ歳をとっている

卵子は女性が生まれる前から卵巣の中に存在しています。卵子が新しく作られることはないため、卵子は女性の年齢と同じ数だけ歳をとります。

 

つまり「卵子の年齢=自分の年齢」なのです。

 

では、卵子が歳をとると、どのような変化があらわれるのでしょうか。

 

卵子の数が減る

卵子が歳をとって起こる変化の一つが「卵子の減少」です。

 

女性は約200万個の卵母細胞(卵子のもととなる細胞)を持って生まれます。この卵母細胞は年齢とともに減少し、増えることはありません。

 

思春期になると月経がはじまりますが、そのころの卵母細胞は約30万個です。毎月の排卵ごとに約1000個の卵母細胞が減り、20代では約10万個、30代では約2~3万個にまで減少します。

 

つまり、歳をとるほど卵子の数は大幅に減少するのです。ちなみに、卵母細胞の数が約1000個を下回ると閉経を迎えるといわれています。

 

染色体異常の卵子が増える

卵子が歳をとって起こるもう一つの変化は「染色体異常の増加」です。

 

卵母細胞が卵子に成長するには「減数分裂」という特殊な分裂をしなければなりません。ですが、卵巣の中で長く休眠した卵母細胞はうまく分裂できないことがあるのです。その結果、染色体の数が通常と異なる「染色体異常の卵子」が発生します。

 

染色体異常の卵子は若い人にも発生しますが、歳をとればとるほど割合が増加します。

 

卵子の年齢が増すとどんな影響があるの?

「卵子も歳をとる」って本当?

卵子の年齢が増すと「卵子の数が減る」「染色体異常のある卵子が増える」という変化が起こりますが、それは妊活にどう影響するのでしょうか。

 

妊娠しにくくなる

染色体異常のある卵子は、精子と結びついて子宮へ着床する力がありません。したがって、染色体異常のある卵子が増えるということは妊娠しにくくなることを意味します。

 

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、体外受精による生産率は母体が35歳を過ぎるあたりから低下しますが、若い人の卵子提供を受けたときには低下が見られなくなったそうです。

 

つまり、加齢によって卵子の質が低下し、妊娠率に影響するのです。

 

流産しやすくなる

染色体異常のある卵子でも妊娠することはあります。しかし、染色体異常のある受精卵はお腹の中で成長する力がないため、そのほとんどが妊娠初期のうちに流産してしまうのです。

 

妊娠12週までの初期流産のうち、約70~80%は受精卵の染色体異常が原因とされています。染色体異常は偶発的に発生し避けられないものです。

 

障害児が生まれる確率が増える

染色体異常のある卵子でも、精子と結びついて誕生を迎えることはあります。しかしその場合、子どもに何らかの障害が出てしまう可能性も危惧されます。

 

染色体異常によって起こる先天性障害としては、次のようなものが代表的です。

 

・21トリソミー(ダウン症)

・18トリソミー(エドワーズ症候群)

・13トリソミー(パトウ症候群)

 

これらの先天性障害をもって生まれると、低身長などの身体的特徴や知的な発達の遅れ、先天性心疾患などの合併症が現れます。

 

このような先天性障害は、母体年齢が上がるにつれて割合が増加します。たとえばダウン症の子どもが生まれる確率は、20歳の母親では1667人に1人、30歳では952人に1人、40歳では106人に1人の割合です。

 

卵子の年齢は検査で分かる?

「卵子も歳をとる」って本当?

一般的には「卵子の年齢=自分の年齢」といわれています。しかし「卵子の質がどれだけ低下しているか」という意味では、同じ年齢の女性でも個人差がみられます。

 

全体的な卵子の質を調べるのは難しいのですが、残っている卵子の数は調べることができます。それがAMH(抗ミュラーホルモン)検査です。

AMH(抗ミュラーホルモン)検査とは

AMH(抗ミュラーホルモン)は、発育段階の卵胞から分泌されるホルモンのことです。

 

血液中のAMH値は卵巣内の卵子数を反映しているので、AMH値が高いということは卵子がたくさん残っていることを意味します。逆にAMH値が低いときは、卵子が残り少ないということを示します。

 

AMH値が低くても卵子の質がよければ妊娠は可能です。とはいえ「妊娠できる期間が残り少ない」という目安ではあるので、不妊治療をしている人は早めのステップアップを検討しましょう。

 

卵子の老化が心配!対策はできる?

「妊活したいけど卵子の老化が心配…」というときは、どんな対策をとれば良いのでしょうか。今回は3つの対策についてお伝えします。

 

「卵子の質を低下させる生活習慣」に注意する

卵子の質は、年齢だけではなく生活習慣の影響もあるとされています。次のような習慣は、卵子の質を低下させるリスクがあります。

 

・喫煙している

・過度な飲酒をする

・睡眠時間が少ない

・ストレスが多い

・食事のバランスが悪い

 

特に喫煙は、卵子の質を著しく下げてしまう要因になります。妊活中の女性はもちろん、受動喫煙を避けるために同居の家族も禁煙するなどの対策をとると良いでしょう。

 

また、食事のバランスや睡眠も卵子の質に影響します。ビタミンやミネラルを補給し、バランスの良い食事を心がけると良いです。夜は7~8時間以上を目安に睡眠をとりましょう。

 

早めに不妊検査を受ける

卵子の老化対策でもっとも有効なのは、早めに不妊治療をはじめることです。老化してしまった卵子の改善は難しいため「卵子がもっとも若い今」が一番のチャンスといえます。

 

万が一、不妊検査で問題が明らかになれば、治療を受けながら可能性の高い方法を探ることができます。

 

また不妊の原因は男女どちらにも存在するため、どちらか一方が検査するだけでは不十分な場合もあります。ご夫婦で同時に検査を受け、残されたタイムリミットを無駄にしないようにしましょう。

 

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着床前診断について知っておく

卵子ではなく受精卵の段階であれば、「着床前診断」という方法で染色体を調べることができます。着床前診断とは、体外受精で得られた受精卵の染色体や遺伝子に異常がないかを調べる検査です。

 

異常のない受精卵を子宮へ移植することで、妊娠率の向上や流産率の低下が期待できます。

 

体外受精までステップアップしたのに、なかなか妊娠しない、初期のうちに流産してしまうということが続くようであれば、受精卵の染色体になんらかの異常がある可能性があります。

 

その際に着床前診断という手段を知っていれば、繰り返す体外受精に終止符を打つことができるかもしれません。

 

まとめ

卵子が歳をとると「数が減る」「染色体異常の割合が増える」という変化が起こります。とくに深刻なのは染色体異常の増加で、女性の年齢が増すとともに妊娠しにくくなることが想定されます。妊活を考えているご夫婦は早めに行動すると良いでしょう。

 

受精卵の染色体異常を見分けるには、着床前診断が有効です。株式会社B&C Healthcareでは着床前診断に関する詳しい資料を配布しています。「妊活を考えているけれど年齢が気になる」「体外受精をしているけれどなかなか妊娠しない」という人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

監修

中林 稔 先生
三楽病院 産婦人科部長

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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