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【医師監修】着床前診断の年齢制限を徹底解説|35歳未満でも受けられるケースとは

2026.02.03
着床前診断の年齢制限を徹底解説|35歳未満でも受けられるケースとは

「35歳以上じゃないと着床前診断は受けられない」そんな情報を目にして、諦めかけていませんか。流産を繰り返したり、体外受精がうまくいかなかったりする中で、少しでも可能性を広げたいと思うのは当然のことです。でも安心してください。

35歳未満でも着床前診断を受けられるケースはあります。2025年9月に制度が改定されて「35歳以上」という条件が追加されましたが、これは対象が広がっただけであり、35歳未満が対象外になったわけではありません。

本記事では、着床前診断の年齢に関する正しい情報と、あなたがどんな選択肢を持っているのかをわかりやすく解説します。

 

着床前診断(PGT-A)とは|検査の仕組みと目的

着床前診断(PGT-A)とは|検査の仕組みと目的

着床前診断とは、体外受精で得られた受精卵(胚)の染色体を調べ、異常のない胚を選んで子宮に移植する医療技術です。正式にはPGT(Preimplantation Genetic Testing)と呼ばれ、なかでも染色体の数を調べる検査をPGT-Aといいます。妊娠初期の流産原因の多くは胚の染色体異常とされており、特に染色体の数が通常と異なる場合、着床しなかったり流産につながったりすることがわかっています。

PGT-Aでは胚盤胞まで成長した受精卵から細胞を数個採取し、染色体の数に過不足がないかを解析します。検査の結果、正常と判定された胚を移植することで、染色体異常による流産リスクを減らし、妊娠率の向上が期待できます。ただし、すべての異常を防げるわけではなく、あくまで染色体の数に関する検査である点は理解しておく必要があります。

 

着床前診断の年齢制限に関するよくある誤解

着床前診断の年齢制限に関するよくある誤解

着床前診断には年齢制限があるのではないかと心配される方は少なくありません。ここでは、よく聞かれる疑問と2025年の制度改定について整理します。

 

「35歳以上でないと受けられない」は本当か

「着床前診断は35歳以上でないと受けられない」という情報を目にして不安に感じている方もいるかもしれません。しかし、これは正確ではありません。日本産科婦人科学会が定める国内の認定施設では、年齢だけでなく治療歴によっても対象が決まります。具体的には、35歳未満であっても体外受精で2回以上妊娠に至らなかった方や、流産を2回以上経験している方は検査の対象となります。

2025年9月の制度改定で「35歳以上の不妊症」が新たに追加されたことで、35歳以上なら条件なしで受けられるようになりました。この改定がきっかけで「35歳以上限定」という誤解が広まっていますが、実際には35歳未満でも対象になるケースがあることを知っておいてください。

2025年9月の制度改定で変わったこと

2025年9月8日、日本産科婦人科学会はPGT-Aに関する細則を改定しました。従来は「反復する体外受精の不成功」または「反復する流死産の既往」がある夫婦のみが対象でしたが、新たに「女性が高年齢の不妊症の夫婦」が追加されています。高年齢の目安として示されているのが35歳以上です。この改定により、35歳以上の女性は過去に流産や着床不全の経験がなくても、不妊症であればPGT-Aを受けられるようになりました。

背景には、年齢が上がるほど胚の染色体異常率が高まるという科学的根拠があります。海外の研究でも35歳以上の女性に対するPGT-Aの有効性が示されており、日本でも対象拡大を求める声が高まっていたことが改定につながりました。

 

国内の学会認定施設で受けるための3つの条件

現在、日本産科婦人科学会が認定する施設でPGT-Aを受けるには、以下のいずれかに該当する必要があります。1つ目は、体外受精で胚移植を行っても2回以上妊娠が成立しなかった不妊症の夫婦です。2つ目は、臨床的に確認された流産や死産を2回以上経験している夫婦です。

そして3つ目が、2025年9月に追加された「女性が35歳以上の不妊症の夫婦」です。なお、夫婦のどちらかに染色体構造異常がある場合はPGT-SRという別の検査の対象となり、上記の条件とは異なる扱いになります。自分がどの条件に該当するかわからない場合は、認定施設で医師に相談することをおすすめします。

 

35歳未満でも着床前診断を受けられるケース

35歳未満でも着床前診断を受けられるケース

35歳未満だからといって、着床前診断の選択肢がないわけではありません。国内で受けられるケースと、海外サービスという選択肢について解説します。

 

反復流産や反復着床不全に該当する場合

35歳未満の方でも、体外受精で2回以上着床しなかった経験がある場合や、胎嚢確認後の流産を2回以上繰り返している場合は、国内の認定施設でPGT-Aを受けることができます。年齢に関係なく、治療を重ねてもなかなか結果が出ない方にとっては有効な選択肢となりえます。

ただし、検査を受けるためには日本産科婦人科学会が認定した施設で、所定の説明動画を視聴し、遺伝カウンセリングを受けるなどの手続きが必要です。また、若い年齢であっても染色体異常の胚が生じる可能性はゼロではありません。30歳前後では胚盤胞の約3〜4割に染色体異常があるとされており、年齢が若いから検査は不要とは言い切れない面もあります。

 

海外の着床前診断サービスを利用する方法

国内の認定施設での条件に該当しない場合でも、海外の着床前診断サービスを利用するという選択肢があります。海外では日本のような厳格な条件が設けられていないことが多く、年齢や治療歴に関係なく検査を受けられるケースがほとんどです。B&C Healthcareでも海外の検査機関と連携した着床前診断サービスを提供しており、年齢制限を設けていません。

日本国内で採卵した胚を海外の検査機関に輸送し、染色体検査を行う流れになります。国内の条件に当てはまらないけれど検査を受けたいという方や、最初から幅広い選択肢を検討したいという方にとっては、海外サービスの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

 

なぜ35歳が目安なのか|年齢と染色体異常の関係

 

35歳という年齢が目安とされる背景には、卵子の老化と染色体異常の関係があります。女性の卵子は生まれたときからすでに体内に存在しており、年齢とともに卵子も老化していきます。その結果、受精卵の染色体分裂がうまくいかず、数の異常が生じやすくなるのです。

日本産科婦人科学会のデータによると、正常な染色体を持つ胚の割合は35〜36歳で約50%ですが、41〜42歳になると10%未満まで低下します。海外のデータでも、35歳未満では異常胚の割合が約32%であるのに対し、43歳以上では85%近くに達するという報告があります。35歳を境に正常胚の割合が大きく変わることから、この年齢が制度上の目安として採用されています。

 

着床前診断を受ける前に知っておきたい注意点

着床前診断を受ける前に知っておきたい注意点

着床前診断は有効な選択肢ですが、万能ではありません。検査を検討する前に知っておきたいポイントを整理しておきます。

検査精度は100%ではない

PGT-Aの検査精度は高いものの、100%ではないことを理解しておく必要があります。正常と判定された胚でも、実際には染色体異常があったというケース(偽陰性)や、異常と判定されたものの本来は正常だったケース(偽陽性)が起こりえます。また、胚の一部の細胞だけに異常がある「モザイク胚」と判定されることもあり、この場合は移植するかどうかの判断が難しくなります。

さらに、PGT-Aで調べられるのは染色体の数の異常のみです。遺伝子の変異や染色体以外の原因による疾患については検出できません。検査を受けたからといってすべてのリスクがなくなるわけではない点は、事前にしっかり認識しておきましょう。

 

費用と保険適用の現状

PGT-Aは現時点で公的医療保険の適用外であり、全額自己負担となります。検査費用の目安は医療機関によって異なりますが、胚1個あたり数万円から10万円程度、複数個検査する場合はその分費用がかさみます。

また、PGT-Aを行う場合は採卵から胚移植まですべて自費診療となるため、保険適用の体外受精と組み合わせることはできません。トータルで数十万円から100万円以上かかるケースもあり、経済的な負担は決して小さくありません。ただし、一部の医療機関では費用の分割払いや経済的支援制度を設けているところもあります。検査を検討する際は、費用面についても事前に確認しておくことをおすすめします。

 

着床前診断の年齢制限は?まとめ

着床前診断には「35歳以上でないと受けられない」という誤解がありますが、実際には35歳未満でも反復流産や反復着床不全の経験があれば国内の認定施設で検査を受けることができます。2025年9月の制度改定により35歳以上の不妊症の方も新たに対象となりましたが、これは選択肢が広がったということであり、35歳未満の方が対象外になったわけではありません。年齢と染色体異常には密接な関係がありますが、正しい情報をもとに自分の状況に合った選択肢を検討することが大切です。

国内の条件に当てはまらない方や、年齢に関係なく着床前診断を検討したい方には、海外サービスの利用という選択肢もあります。B&C Healthcareでは年齢制限のない着床前診断サービスを提供しており、妊娠率の向上や流産リスクの低減に役立つ詳しい資料もご用意しています。着床前診断についてより深く知りたい方は、一度資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。

監修

告野 絵里先生
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 産婦人科 所属 日本産科婦人科学会専門医、日本健康経営専門医、産業医。浜松医科大学卒業。 産婦人科専門医として一般婦人科外来、不妊治療・周産期医療に携わる。医療記事や医療関連商品の監修や、産業医・健康経営専門医としても活動中。

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