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【医師監修】ダウン症は染色体の異常が原因?高齢出産で染色体異常が多い理由とは

2021.04.15

高齢出産を予定している方は、ダウン症のリスクが不安に感じられることもあるでしょう。ダウン症は、染色体の異常が原因となる病気ですが、なぜ、高齢出産でリスクが高まるのでしょうか。今回は、女性の年齢が高まるとダウン症や染色体異常が発生しやすくなる理由について解説します。

 

ダウン症と染色体異常の関係とは

 

ヒトの細胞には核があり、そこに23組46本の染色体が含まれています。1〜22番までの常染色体と、性別の決定に関わる染色体で構成されています。

 

染色体異常とは、染色体の数や構造に何らかの異常が発生することです。数の異常は「数的異常」、形態の異常は「構造異常」と呼ばれています。

 

ダウン症にはいくつかの種類がありますが、21番目の染色体が1本多い標準型(トリソミー型)がほとんどです。それ以外にも、一部の細胞だけがトリソミーになるモザイク型、染色体の一部が入れ替わる転座型があります。

 

遺伝の影響を受ける可能性があるのは転座型だけであり、ダウン症のほとんどは偶然発生する染色体の異常が原因となります。

 

染色体異常がある受精卵では、着床しないか、流産してしまうことが多いといわれています。無事に赤ちゃんを出産できると、ダウン症のように染色体異常が原因となる病気や障害を有している可能性があります。

 

染色体異常に由来するダウン症の特徴

 

ダウン症の子供は、特徴的な顔つきとなり、つり上がった目や低い鼻となる傾向にあります。低身長で小柄な人が多く、その他にも舌が少し長いなど、さまざまな特徴があるといわれています。

 

約半数に心疾患があり、約10%に消化管の病気があるとされています。心疾患に関しては、状態に応じて手術が必要になる場合もあります。消化管の病気に関しては、十二指腸狭窄、十二指腸閉鎖などが生じやすいといわれており、これもダウン症の特徴に含められます。

 

筋緊張が低く、運動発達はゆっくりと進むことが特徴であり、おすわりやハイハイ、一人歩きなどの獲得にも時間がかかることが多いです。また、知的発達にも遅れがみられやすく、軽度から中度の知的障害が生じることが多いとされています。ただし、個人差もあり、療育やリハビリテーションを経て、地域の特別支援学級などに通学される方もいます。

 

ダウン症は妊娠中のエコー検査などで疑われ、その後に詳しい検査を行って判明する場合もあります。しかし、出産後にダウン症の特徴に似ている点があった場合、他の検査結果と組み合わせて診断するケースもあります。

 

高齢出産でダウン症などの染色体異常が多くなる原因とは

 

ダウン症や流産の原因となる染色体異常は、偶発的に生じることがほとんどです。誰にでも可能性はありますが、女性の年齢が高くなると、染色体異常の発生率が上昇することがわかっています。

 

女性の年齢が上がると、染色体の分配において誤りが発生しやすくなるとされています。卵母細胞という細胞が減数分裂をして卵子になりますが、このときに染色体を正しい数で分配できず、染色体に異常が発生すると考えられています。

 

受精卵の段階で染色体異常が発生する確率は、34歳以下の場合は59%となります。比較的若い世代でも受精卵には異常が生じる可能性がありますが、35〜39歳では63%、40〜47歳では74%と割合が増加していきます。

 

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ダウン症以外の染色体異常に起因する病気

 

染色体異常によって生じる病気といえば、ダウン症が広く知られています。しかし、それ以外にも染色体異常が原因で発生する病気はあります。何番目の染色体に、どのような異常が発生するかによって、発現する病気にも違いが生じます。

 

パトー症候群は、13番目の染色体が1本多いことが原因となって生じる病気です。パトー症候群の赤ちゃんは、90%が生後1年を迎える前に亡くなってしまうとされています。

 

エドワーズ症候群は、18番目の染色体が1本多いことで発生します。心疾患や感染症を合併することがあり、1歳まで生存できない赤ちゃんは90%とされています。しかし、エドワーズ症候群の中には、10歳を超えて元気に過ごせる場合もあります。

 

ダウン症候群、パトー症候群、エドワーズ症候群は、赤ちゃんに発生する染色体異常の約7割を占めるといわれています。

 

ダウン症などの染色体異常や流産が心配なときは着床前診断を視野に

 

ダウン症をはじめとする病気、流産の可能性が心配なときは、「着床前診断」という検査を検討することもできます。着床前診断とは、受精卵の段階で染色体や遺伝子の異常を調べ、異常がないと確認された受精卵で着床に至るための検査です。

 

日本の着床前診断では検査を受ける条件に制限があり、学会の認可を受ける必要があります。しかし、株式会社B&C Healthcare(B&C Healthcare)のプログラムなら、希望者が受けられる仕組みになっています。

 

B&C Healthcareの着床前診断を受けるには、日本国内の医療機関で体外受精を行う必要があります。次に、そこで得た受精卵(またはその細胞から抽出したDNA)を米国の機関に輸送します。米国に到着してから、2〜5週間ほどで検査の結果が通知されます。

 

なお、着床前診断では性別を決める性染色体についても調べます。そのため、希望の性別の赤ちゃんが生まれる受精卵で着床すれば、高確率で産み分けも可能となります(統計上98%以上といわれています)。

 

染色体異常に由来するダウン症などの病気や、流産のリスクが心配な方は、B&C Healthcareの着床前診断を検討してみてはどうでしょうか。

 

 

監修

中林 稔 先生
三楽病院 産婦人科部長

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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