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【医師監修】着床前診断のPGT-Aとは?わかることや受診条件を解説

2022.03.26

不妊治療をおこなっている方の中には、着床前診断の「PGT-A」の言葉をご存知の方もいらっしゃることでしょう。ほかにも「PGT-M」や「PGT-SR」など種類があります。

とはいえ、パッと見てもどの検査を受診すればよいのかわかりにくいものです。

本記事では「PGT-A」をテーマに、検査内容やメリット・デメリット、ほかの検査との違いなどを解説します。体外受精を繰り返しても授からない方や、不妊治療を検討している方は参考になる内容です。

 

着床前診断とPGT-Aについて

まずは、着床前診断とPGT-Aについて見ていきましょう。

 

着床前診断とは?

着床前診断とは、「受精卵(胚)に異常があるかどうか?」を調べる検査です。体外受精の過程で、移植前のタイミングでおこないます。もし体外受精で受精できても、受精卵に異常があると、着床できなかったり流産につながったりしてしまうのです。

 

そこで着床前診断は、染色体数や遺伝子などの異常がない受精卵を事前に選定します。正常な受精卵のみを子宮内に移植するので、着床率を高めることが可能なのです。

 

着床前診断には3種類がある

着床前診断には、以下の3つの種類があります。受精卵のうちどの部分の異常を調べるのかによって検査に違いがあるのです。

 

・PGT-A:「Preimplatiton Genetic Testing for aneuploidy」の略語で、日本語で「着床前胚染色体異数性検査」を表します。受精卵の染色体数の異常をチェックする検査です。

 

・PGT-SR:「Preimplatiton Genetic Testing for Structural Rearrangemen」の略語で、日本語で「着床前染色体構造異常検査」を表します。受精卵の染色体の構造異常をチェックする検査です。

 

・PGT-M:「Preimplatiton Genetic Testing for Monogenic」の略語で、日本語で「着床前単一遺伝子疾患検査」を表します。受精卵の遺伝子の異常をチェックする検査です。

 

PGT-Aは染色体の異常を調べる検査

先述したとおり、PGT-Aは受精卵の染色体数の異常を調べる検査です。受精卵から一部の細胞を採取して調べます。

 

人間の各細胞の染色体は、通常46本あります。(2本ずつ対になって計23ペアある)しかし、受精時は染色体の数が多かったり少なかったりする「異数性細胞」が多々あり、染色体が46本ではないこともあるのです。

 

すると、受精卵が上手く育たず着床できなかったり流産につながったりします。運よく育つこともありますが、ダウン症候群など障がいのある子が産まれることになるのです。

 

PGT-Aは、染色体の数を受精卵の段階で確認でき、正常な受精卵を選定できるため妊娠の可能性を高めます。

 

 

PGT-Aでわかること・わからないこと

染色体の数を調べるPGT-Aですが、検査して正常な受精卵を選定しても必ず妊娠できるとは限りません。検査ではわからないこともあります。

 

参考に具体的にわかることと、わからないことをまとめました。

 

【わかること】

受精卵の染色体の数

 

【わからないこと】

・受精卵の遺伝子異常(遺伝病を抱える可能性)

・受精卵の染色体構造の異常(障がいや先天性の病気を抱える可能性)

・検査による将来の子どもへの影響や安全性

・性別(原則として知ることは不可能)

・妊娠確率

 

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PGT-Aの受診条件と受診方法

ここまで読み、「検査を受けたい」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、誰でも受けられるわけではないのです。

 

ここでは、受診条件や検査の流れを解説します。

 

PGT-Aには受診条件がある

PGT-Aは現在、「臨床研究の対象」として日本産科婦人科学会の承認を得ておこなっている検査です。したがって、研究対象者として条件に該当する方でなければ検査が受診できません。

 

おもな条件は以下の通りです。

 

・体外受精や胚移植(ART)を2回以上連続して妊娠しなかった方(反復ART不成功)

・流産を2回以上連続で繰り返している方(習慣流産)

・ご夫婦のどちらかに染色体の構造異常が見受けられる方

 

ただし、除外基準に当てはまる方はこの条件に当てはまっても受診できないことがあります。くわしくは、検査を受診する医療機関に相談しましょう。

 

PGT-Aはどこで受診できる?

PGT-Aを含む着床前診断は、どこの医療機関でも受けられるわけではありません。日本産科婦人科学会で認可を受けた医療機関のみで受診可能です。

 

くわしくは、お住まいの地域に該当する医療機関をインターネットなどで調べて、問い合わせてみるとよいでしょう。

 

PGT-Aの検査手順

検査はどのようなステップでおこなわれるのでしょうか?検査を検討するなら内容は気になるもの。

 

一般的な検査の流れを以下にまとめました。ただし、詳細の流れは医療機関ごとに違うので問い合わせて確認しましょう。

 

【PGT-A検査の流れ】

①体外に精子と卵子を採取し、専用の容器で受精させる(体外受精)
②受精後、約5~6日間受精卵(胚盤胞になるまで)を培養させる
③受精卵の細胞のうち、将来胎盤になる箇所の細胞(栄養外胚葉)を採り出す(生検)
④採り出した細胞の染色体の数を検査する
⑤受精卵は凍結して結果が出るまで保存する
⑥問題がなかった受精卵は解凍して移植する

 

 

事前に知っておきたいPGT-Aのメリット・デメリット

先述したPGT-Aの検査内容をふまえて、メリット・デメリットをまとめました。

参考にして、受診を検討しましょう。

 

PGT-Aをおこなうメリット

PGT-Aのメリットは以下の通りです。

・染色体の数に異常のない受精卵を選定できるため、流産率を下げられる
・染色体の数が正常な受精卵を移植するため、妊娠率を高められる
・妊娠成立までの時間短縮が見込める
・妊娠率が高められるため、不妊治療のコスト削減につながる可能性がある

 

PGT-Aをおこなうデメリット

続いて、デメリットを紹介します。下記のリスクもふまえて検討すると、納得のいく選択ができます。

疑問や不安がある場合は、医療機関に相談してみましょう。

・検査費用が高額
・受精卵の一部を採取するとき、細胞を傷つけるリスクがある
・検査しても正常な受精卵が見当たらず、移植不可能な可能性もある
・受精卵を凍結させて検査結果を待つ必要があるため、移植までに約1カ月以上はかかる
・染色体数の異常ではない流産や先天性疾患のリスクはわからない
・性別は原則として教えてもらえない
・検査の結果精度は100%ではないため、結果が正常でも異常の可能性がある(モザイク胚など)

 

産み分け可能な着床前診断ならB&Cのサービスが有効

PGT-Aは日本産科婦人科学会の規定上、性別は教えてもらえません。そのため、産み分けとして利用することは不可能です。

希望の性別がある場合、産み分け可能な着床前診断(PGT-A)をおこなっている株式会社B&C Healthcareのサービスがおすすめです。

先述したような学会による受診条件もありません。日本人の検査実績も多数あり、専門の遺伝カウンセラーなどにも都度相談できる環境でフォロー体制も整っています。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

PGT-Aは着床前診断の一つで、受精卵の染色体の数に異常があるかを調べる検査です。事前に染色体の数に問題がある受精卵が分かるため、流産のリスクを下げて妊娠率アップが見込めます。

しかし、受診対象者は日本産科婦人科学会が定めた条件に当てはまる方のみ。受診場所は一部の認可を受けた医療機関のみです。また、産み分けでの利用はできません。

もし産み分けを希望する場合は、株式会社B&C Healthcareのサービスがおすすめです。興味のある方は、以下より資料請求が可能です。

弊社のサービスの資料請求は、以下より可能です。

 

 

監修

中林 稔 先生
三楽病院 産婦人科部長

日本医科大学卒業。東京大学医学部附属病院で研修後、三井記念病院医長、虎の門病院医長、愛育病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。毎日出産や手術に立ち会う傍ら、各地で講演を行い医学的知識や技術の普及に力を入れている。また、少子化及び産婦人科医師不足問題にも積極的に取り組み、教育においても若手医師の育成をはじめ助産師学院の設立等、幅広く活動を行っている。

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