妊娠を希望する方にとって、妊娠初期症状はとても気になるものですよね。生理前の少しの体調の変化で「妊娠したかも!」とソワソワしてしまうこともあるでしょう。
しかし妊娠初期症状と生理前症状は似たものが非常に多く、期待したのにがっかりしたという経験がある人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では妊娠がいち早くわかる方法や妊娠に気がつくきっかけ、そして妊娠した場合はいつから病院に行くのが良いかについて解説します。妊娠の可能性がある方、今後の妊娠の参考にしたいという方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
妊娠を望んでいる女性にとって、身体に生理前とは違う症状が現れると、妊娠初期症状なのかどうかが気になってしまいますよね。妊娠初期症状はいつから現れるのでしょうか?
妊娠初期症状は早ければ最終月経初日から数えて21日頃から現れるでしょう。生理周期が28日の場合は14日頃に排卵、28日目から生理がスタートします。排卵日前後に性行為をおこなった場合は、精子と卵子がうまく出会えると受精卵に変化し妊娠が成立します。受精卵が子宮内膜に着床するまでには1週間程度かかるため、早ければ21日頃に着床するでしょう。この頃から妊娠初期症状が出る人もいるため、早ければ性行為後1週間〜2週間ごろに妊娠初期症状が現れます。
妊娠初期症状が起こるのは下記の3つのホルモンが作用するためです。
hCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
妊娠すると着床後に胎盤となる部分からhcgホルモンが分泌されます。このホルモンは妊娠した女性にしか分泌されません。市販の妊娠検査薬はこのhcgホルモンが充分に分泌されているかによって陽性反応が出る仕組みになっています。
卵胞ホルモン(エストロゲン)
卵胞ホルモンは排卵までに多く分泌されるホルモンです。妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きをします。卵胞ホルモンはおりものを増加させる作用があり、妊娠するとおりものが水っぽくなる傾向があります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)
排卵直後から分泌量が増えるホルモンです。受精卵が着床しやすいように子宮内膜をふかふかにする効果の他に、基礎体温を上げたり乳腺を発達させたりする作用もあります。
妊娠初期に見られる初期症状にはどのようなものがあるのでしょうか。
高温期が長く続く場合は、妊娠の可能性があります。月経周期が28日の場合、排卵後2週間ほど高温期が続いて生理が来ますが、妊娠した場合は高温期が持続します。高温期は妊娠13週くらいまで続くため、高温期が3週間程度続いた場合は妊娠検査薬を使ってみましょう。
受精卵が着床したタイミングで出血が起こることがあります。期間は1〜2日程度で、量も生理に比べると少なく、下着やトイレットペーパーに少量付く程度の量です。普段の生理が始まるくらいのタイミングで起こるためわかりづらいですが、いつもと比べて量が少ないと思った場合、生理ではなく着床出血の場合があります。
通常黄体期(排卵が終わってから生理が始まるまでの間)にはおりものが減りますが、おりものが増え、水っぽくなったことで妊娠に気がつくこともあります。これは卵胞ホルモンの増加による症状です。おりものが水っぽく量が増えた、色が乳白色や薄い茶色で匂いがしないなどの場合は妊娠の可能性があります。
ホルモンの変化によって胸が張り、痛みを感じる場合があります。生理前症状と似ていますが、生理開始予定日を過ぎても痛みが続く場合は妊娠初期症状の可能性があります。
妊娠するといくら寝ても寝足りないように感じることがあります。ホルモンの増加による症状のため、無理をせずに身体を休めしっかりと睡眠を取りましょう。
ホルモンバランスの乱れで腸の動きが鈍化して便秘になったり、少しずつ子宮が大きくなることで頻尿が起こったりします。便秘は妊娠中ずっと悩まされる人も多いため、食物繊維が豊富に含まれた食材を意識して食べるようにしましょう。
ホルモンバランスの乱れや便秘が原因で肌トラブルが起こります。妊娠前に使っていたスキンケアで刺激を感じてしまう場合は、無香料・無着色などの肌に優しいスキンケアに変えましょう。
ちょっとしたことでイライラしたり、涙もろくなったりと情緒不安定になります。ホルモンバランスの乱れや、眠さだるさが重なって感情がコントロールできなくなるのはしょうがないことです。無理のない範囲で家事や仕事をおこない、ゆっくり身体を休めてあげましょう。
妊娠してすぐに吐き気・むかむか、いわゆる「つわり」を感じる人もいます。多くの人は安定期(妊娠16週目ごろ)からつわりが減っていきます。辛い時期が続きますが、周りの人にも協力してもらってしっかり休めると良いですね。
お腹の張りや鈍痛を感じることがあります。生理前の痛みと似ているので判断がつきづらいですが、妊娠の可能性がある際は安易に痛み止めの薬を飲まないように注意しましょう。
これらの妊娠初期症状は複数症状が現れる場合や、人によっては全く症状がなかったという人もいます。症状の有無で一喜一憂せずに、リラックスして赤ちゃんを待てると良いですね。
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【医師監修】30代の自然妊娠確率は何%?ステップアップするタイミングは?
妊娠検査薬を使うのに推奨されているタイミングは、生理予定日1週間後です。妊娠検査薬は、妊娠中に現れるhCGホルモンが尿中に含まれているかによって妊娠の有無を判断します。推奨タイミングより前に妊娠検査薬を使用すると、充分なホルモンが検出されずに陰性と判断されることもあります。フライング検査をしたい気持ちはわかりますが、正確な結果を出すためには、生理予定日1週間後に検査することが必要です。
もっと早く妊娠したかを知りたい!という方は生理開始予定日から使用できる、早期妊娠検査薬を使うのもおすすめです。早期妊娠検査薬は尿中に含まれるhCGの量が通常の検査薬の約半分で反応するように設定されています。ですが妊娠判定の確実性は妊娠検査薬に劣ると考えられているので注意しましょう。できれば早期妊娠検査薬だけでなく、生理開始日1週間後を待って妊娠検査薬も併せて使用するとより正確な結果が得られます。
妊娠検査薬で陽性が出たら婦人科のある病院やクリニックで受診をしましょう。妊娠検査薬で陽性が出ても確実に妊娠しているとは限らないため、エコーで医師に確認してもらうことが必要です。
クリニックに行くタイミングは生理開始予定日から2週間後くらいが良いでしょう。それより早いと子宮の中に胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)が見えづらく、それより遅いと異所性妊娠(受精卵が子宮内膜以外の場所に着床すること)の場合の処置が大変になります。妊娠に気がついたら適切なタイミングで診断を受けるようにしましょうね。
妊娠を望む方の中にはなかなか妊娠できず、自然妊娠からのステップアップを検討されている方もいるでしょう。年齢や身体的要因で体外受精を検討している場合は「着床前診断」も検討してみてはいかがでしょうか。着床前診断とは受精卵の段階で、染色体や遺伝子に異常がないか調べる検査です。
染色体異常があると、妊娠できても流産してしまったり、産まれて来る赤ちゃんが病気を持っていたりする可能性があります。着床前診断をおこない異常のない受精卵を子宮に戻すことで、染色体異常が原因で起こる病気や流産を予防できます。
妊娠にいち早く気がつくには普段から基礎体温を測り、ご自身の生理周期を知っておくことが非常に大切です。症状の有無だけで妊娠したかどうかを判断することは難しいため、基礎体温を普段付けていない人は、朝一番に体温を測ることを習慣化しましょう。
また生理が遅れていて妊娠初期症状に当てはまる項目が多かった人は、市販の妊娠検査薬を使用して検査することをおすすめします。もし陽性が出た場合は生理開始予定日の2週間後くらいを目処に病院に行ってみてくださいね。
今後妊娠を検討している方で妊娠や出産にあたって不安があり、着床前診断を受けてみたいと感じた方は、一度詳しく調べてみることをおすすめします。