妊娠が分かって喜んでいたのに、ある日突然「切迫流産です」と告げられたら大きなショックを受けるでしょう。妊活を考える方の中には「もし切迫流産になったらどうすればいいの?」と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
ですが切迫流産について正しく知っておくことで、必要以上に不安がらずに済みます。今回は切迫流産の症状や原因、治療法や予防法について詳しく解説していきましょう。
切迫流産とは「流産のリスクがある状態」をいいます。
リスクといっても状態はさまざまです。絶対安静にしなければならないものから普段通りに生活していいものまで、幅広く切迫流産という言葉が使われています。
したがって、すべての切迫流産が「すぐに流産しそうな状態」ということではありません。もし病院で切迫流産と告げられても、まずは落ち着いて詳細を確認しましょう。
切迫流産の主な症状は性器からの出血です。出血にともなって腹痛を感じることもあります。
妊娠初期の出血は4人に1人が経験するとされ、その多くは着床などの刺激による心配のない出血です。下着にほんの少し血がついていたり、おりものに混じってピンク~茶色になっていたりする程度であれば様子を見ていいでしょう。
注意したいのは次のような状態です。
・生理のときと同じくらい出血している
・鮮やかな赤い血が出る
・出血が持続している
・強い腹痛をともなう
・破水している
症状が強いとき、また破水しているときは緊急性が高いので、夜間・休日でもかかりつけの産婦人科窓口に相談しましょう。
妊娠12週未満の切迫流産は、ほとんどが赤ちゃん側の染色体異常によるものです。
染色体異常を治療する手立てはないため、そのまま経過を見守るしかありません。
妊娠12週以降になると、染色体異常に代わって子宮のトラブルによる切迫流産が増加します。代表的な原因は感染による絨毛羊膜炎、絨毛膜下血腫、子宮頸管無力症などです。
絨毛羊膜炎や絨毛膜下血腫では子宮収縮や出血が、子宮頸管無力症では子宮口が開くなどの症状が表れます。
切迫流産と似ているものに切迫早産があります。
医学的には妊娠22週未満で流産しかけているのが切迫流産、妊娠22~37週で赤ちゃんが外に出かかっているのが切迫早産です。
切迫流産は出血と腹痛が主な症状ですが、切迫早産ではこれらの症状がなく子宮頸管が短くなっているものも含まれます。
切迫流産になった人のうち、およそ90~95%は正常な妊娠に戻るといわれています。ほとんどが流産を回避できているので、過度に心配する必要はないでしょう。
症状にもよりますが、安静にする期間は2〜3週間程度が目安です。
切迫流産と告げられたら、まずは治療を優先します。「上の子の面倒は?」「仕事はどうするの?」と不安になることも多いですが、できることからひとつひとつ対処していきましょう。
切迫流産の治療は安静が第一です。どの程度のレベルで安静にするかは、症状や状態で変わります。
症状が軽いようなら仕事や家事をしてもOKですが、数時間程度にとどめましょう。乗り物の運転や重いものを持つことは控え、不要不急の外出は避けます。
症状が中程度なら、仕事や家事をお休みするよう勧められるかもしれません。乗り物の運転は禁止、入浴は2~3日置きでシャワーのみになることも。
症状が重いときは入院を勧められます。仕事や家事は禁止、歩くのもトイレや洗面程度にとどめるなど、生活のあらゆる面で配慮が必要です。
ここで示した例はあくまで目安なので、実際に安静を言い渡されたら具体的にどう過ごすべきなのか担当医に聞いておきましょう。
切迫流産では、必要に応じて止血剤や子宮収縮抑制薬、抗生物質などの薬を使います。
ですが、投薬はあくまで治療の補助です。安静にするのが切迫流産の基本なので、薬で症状が軽くなっても安静期間中は決して無理をしないようにしましょう。
切迫流産になると、自宅で安静に過ごすように指示されることがあります。その場合は医師に診断書を書いてもらい、休職を申し出ましょう。
症状が軽いようならテレワークで働くという選択肢もあります。ただし自分で勝手に判断して働くのは禁物です。医師と相談して、どの程度なら働いていいのか確認しておきましょう。
職場への伝達に不安があるなら、母性健康管理指導事項連絡カードを利用するのもひとつの方法です。
カードは医師に記入してもらい、職場に提出します。カードによって休業をはじめ、作業内容や勤務時間の制限を求めることが可能です。
家事や育児については、できるだけパパや周りの人を頼りましょう。上の子のお世話は一時預かりやファミリーサポートにも相談し、一人で抱え込まないことが大切です。
買い物はネットスーパー、食事は宅配というように、便利なサービスは積極的に利用しましょう。
自宅で安静にしていると家の中のことが目についてしまいますが、動きすぎは禁物です。とくに重いものを移動させる、前かがみの姿勢になる、長時間立って作業するといった行為は症状の悪化につながるため、できるだけ避けるようにしましょう。
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切迫流産を予防する方法は、事前の検査と感染症対策です。詳しく説明していきましょう。
クラミジア、ヘルペス、風疹などの細菌・ウィルス感染は切迫流産のリスクになります。感染しないよう予防接種ができるものは妊活前に済ませ、下着は雑菌が繁殖しないように清潔を保ちましょう。
ただし、感染を防ぐために性器を洗いすぎるのは好ましくありません。もともと備わっているバリア機能を低下させてしまうので、基本はお湯でやさしく洗う程度にしましょう。
妊娠中のセックスに関しては、医師からのOKが出てもコンドームを使うのが基本です。性感染症にかかっていなくても、常在菌がセックスで入り込んで子宮内感染につながることがあります。
張りを感じているときに無理して動くと、切迫流産のリスクを高めます。腹痛を感じたらこまめに休憩をとり、できれば横になりましょう。
切迫流産を予防するには、しっかり睡眠をとってストレスを発散することも大切です。休養が足りないと免疫機能が低下し、感染症をまねくおそれがあります。
妊娠中はあまり無理をせず、ゆったりとした気持ちで過ごすように努めましょう。
妊娠中のタバコやアルコールは、流産リスクを高めるもののひとつです。タバコを吸う人は吸わない人に比べて約2倍、毎日飲酒する人はしない人に比べて約2.5倍の流産リスクがあります。
無事に生まれてきた場合でも、出生時低体重や先天異常、胎児性アルコール症候群で赤ちゃんの健康を損なうおそれがあります。できれば妊活する前に禁煙・禁酒をしましょう。
妊娠12週以降の切迫流産にはいくつか対処法がありますが、12週未満はできることがほとんどありません。
腹痛のない少量出血ならそのまま落ち着くことが多いのですが、もし染色体異常による流産を起こしかけているときは止める術がないのが実情です。
ですが、染色体異常による流産を避ける方法がひとつあります。それは「着床前診断」です。
着床前診断は体外受精で得た受精卵の染色体を調べる検査で、妊娠する前に染色体異常のある受精卵とそうでないものを見分けることができます。
染色体異常のない受精卵を子宮へ戻すことで、流産率の低下が見込めるというわけです。日本産科婦人科学会の大規模調査でも、着床前診断によって流産を繰り返す女性の流産減少に効果があったと結論づけています。
切迫流産と言われるとドキッとしてしまいますが、症状も程度もさまざまです。落ち着いて医師の指示をあおぎ、安静が必要なときは無理せず過ごすようにしましょう。
切迫流産をすでに経験されて「次に妊娠するのが怖い」と感じている場合は、着床前診断という選択肢もあります。詳しくは株式会社B&C Healthcareの資料に記載されているので、一度取り寄せてみてはいかがでしょうか。