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【医師監修】ブライダルチェックってどんな検査?具体的な項目や費用について解説

2023.08.16

結婚を控えていると、世間で耳にする「ブライダルチェック」が気になる方は多いのではないでしょうか。

 

ですが、ブライダルチェックについて何となく知ってはいても、具体的にどんなことをするのか分からなければ躊躇してしまいますよね。

 

そこで今回は、ブライダルチェックの具体的な内容や受けるべき項目について解説します。費用や助成金にも触れているので、受けるかどうか迷っている方はぜひ読んでみてください。

 

ブライダルチェックとは?

ブライダルチェックは、妊娠・出産に影響する病気や異常について調べる検査のことです。昔は結婚する前におこなうことが多かったのですが、今は希望すれば結婚に関係なく誰でも受けることができます。

 

具体的には、性病にかかっていないか、妊娠・出産の障害となる病気にかかっていないか、妊娠に影響する器官の異常はないかなどを調べます。

 

検査をおこなう病院によっては、プレママ健診やプレママチェックという呼び方をすることもあるようです。

 

ブライダルチェックは男女ともに受けるべき?

妊娠や出産は女性だけの問題と思われがちですが、ブライダルチェックは男性も一緒に受けるのがよいでしょう。というのも、男性側に原因がある不妊は決して少なくはないからです。

 

日本産婦人科医会のデータによると、不妊原因の約33%は男性側の原因であることが明らかになっています。男性に原因がある場合、女性が検査や治療をしたとしても妊娠は難しくなります。

 

したがって、ブライダルチェックは男女同じタイミングで受けるのが効率的です。男女ペアで受けられるかどうかは病院によって異なるので、各病院の診療案内をよくチェックしておきましょう。

 

ブライダルチェックの具体的な内容

ブライダルチェックの項目や費用、時間はどの程度なのでしょうか。具体的な内容について見ていきましょう。

 

女性のブライダルチェック項目

女性のブライダルチェックでは、次のような項目をチェックします。

 

・B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVなどの感染症検査

・風疹抗体検査

・LH、FSH、エラストジオール、プロゲステロンなどのホルモン検査

・超音波検査

・子宮クラミジア検査

・子宮頸がん検診

・抗ミュラー管ホルモン検査(AMH)

 

妊娠に影響する感染症やホルモンの検査は、血液検査によっておこなわれます。

 

ほかにも超音波検査で子宮や卵巣に異常がないかチェックしたり、膣内分泌物や細胞を採取してクラミジア感染や子宮頸がんがないかを調べたりします。

 

子宮頸がんの細胞採取では人によって多少痛みを感じることがあるかもしれませんが、基本的には強い痛みをともなう検査はありません。

 

男性のブライダルチェック項目

男性のブライダルチェックでは、感染症関連の血液検査に加えて精液検査をおこないます。精液検査を受けると、精子の量や精子濃度、運動率、正常形態率などが分かります。

 

精液の採取は病院内でおこないますが、自宅で採取したものを持参できる場合もあるようです。細かいルールについては病院によって違いがあるので、あらかじめホームページなどでチェックしておくとよいでしょう。

 

ブライダルチェックでおすすめの項目は?

ブライダルチェックは基本検査に加え、オプションでつけられる項目もあります。

 

ブライダルチェックで積極的に受けておきたいのは感染症関連の検査です。感染症検査は基本検査に含まれていますが、麻疹抗体などの一部の項目はオプションとなっていることがあります。個々の状況を考えて、心配な場合は加えておくとよいでしょう。

 

逆に、注意したいオプション項目としては抗ミュラー管ホルモン(AMH)があります。AMH検査は卵巣予備機能検査とも呼ばれ、体内にある残りの卵子数を知る目安となるため、妊娠を考えている女性の間では人気の項目となっているようです。

 

ただし、妊娠には卵子の数よりも質の方が重要です。卵子がたくさんあっても妊娠のしやすさに直結するわけではありません。あくまで指標のひとつであり、AMH値だけで将来の妊娠率を推測することはできないので、現時点でとくに必要がなければ見送ってもよいでしょう。

 

ブライダルチェックの費用

ブライダルチェックの費用相場は、1人あたりおよそ1~3万円です。オプション項目が増えるほど検査費用も高額になりやすいので、自分にとって必要なものだけを選ぶようにしましょう。

 

また、ブライダルチェックの費用は保険適用外で全額自己負担です。医療費控除も対象外となります。

 

ただし、検査で病気が見つかったときは一部の項目で保険適用となることもあるようです。

 

ブライダルチェックで助成金は出る?

お住まいの自治体によっては、ブライダルチェックの助成金を受け取ることができます。

 

上限額や認定要件は自治体によってまちまちなので、詳しくは自治体のホームページで確認しましょう。

 

ブライダルチェックにかかる時間

検査する項目にもよりますが、ブライダルチェックの所要時間はおよそ1時間程度です。ただし、病院の混雑具合によっては待つこともあります。

 

ブライダルチェックの結果が出るのは、おおむね2週間後です。結果の通知方法は郵送や再来院など、病院によって異なります。

 

ブライダルチェックで異常が分かったら?

ブライダルチェックでなんらかの病気が見つかった場合、状況に応じて治療がおこなわれます。

 

クラミジアなどの性感染症は、抗生物質の内服ですぐに治療できます。ホルモンバランスや精液所見がよくなくても、薬物療法に加えて食事・運動・睡眠・禁煙などの生活改善をおこなえば回復するケースも多いのです。

 

ブライダルチェックのメリットは、早期に病気が分かることです。発見が早いほど治療効果が高まる病気は多いですし、治療が難しい病気でも事前に分かっていれば適切に対応することができます。

 

もし病気や異常が見つかっても、適切に治療をすれば自分や赤ちゃんの健康を守ることにつながります。将来的に妊娠を考えている人は、前向きにブライダルチェックを検討してみましょう。

 

ブライダルチェックで正常だったのに妊娠しないのはなぜ?

ブライダルチェックで正常なのになかなか妊娠しないときは、ブライダルチェックの項目だけでは分からない不妊原因が隠れているのかもしれません。

 

妊活をスタートして半年以上兆候がないときは、卵管造影検査や抗精子抗体検査なども含めた不妊検査を検討してみましょう。

 

また、「受精卵の染色体異常」も不妊の大きな原因のひとつです。受精卵になんらかの染色体異常があると妊娠に結びつかず、もし妊娠したとしても初期のうちに流産してしまいます。

 

染色体異常のある受精卵の割合は加齢にともなって徐々に増加し、35歳以上になると妊娠率は著しく低下します。逆に流産率は上昇してしまうため、ある程度の年齢に達するとなかなか赤ちゃんを授かれない状況に陥ってしまいます。

 

着床前診断なら染色体異常をチェックできる

不妊原因として受精卵の染色体異常が疑われる場合、どうしたらよいのでしょうか。

 

現時点でもっとも有効なのは「受精卵の染色体異常を見分ける」こと、つまり着床前診断という方法です。

 

着床前診断とは、体外受精で得た受精卵の一部を採取し、染色体異常があるかどうかを調べる検査のことです。染色体異常のない受精卵を子宮へ移植すれば、妊娠率の向上や流産率の低下が期待できます。

 

さらに、染色体異常に由来する病気を予防できることも着床前診断のメリットです。

 

不妊治療を長年続けている方の中には、繰り返す体外受精や流産の負担に疲弊しきっているご夫婦も少なくありません。そんなとき、着床前診断について少しでも知っていれば切り拓ける未来があります。

 

これから妊娠を考えている方には先のことに感じられるかもしれませんが、もしものときは着床前診断について改めて調べてみるとよいでしょう。

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まとめ

ブライダルチェックは、性感染症の有無やホルモンバランス、子宮や卵巣の状況について調べる妊娠のための健康診断です。

 

自分では分からなかった婦人科系疾患を知るきっかけにもなるため、受けておいて損はありません。自治体によっては助成金が出ることもあるので、ブライダルチェックを受ける前に確認しておきましょう。

 

株式会社B&C Healthcareでは、着床前診断の詳細な内容について資料をお配りしています。「今は必要ないけれど将来のために知っておきたい」という方も、ぜひお気軽にご利用ください。

 

監修

一倉絵莉子 先生
六本木ヒルズクリニック

産婦人科医 / 六本木ヒルズクリニック 日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員 日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

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