自宅で手軽にできる製品や、病院で行うことができる手法など、産み分けにはさまざまな方法があります。今回はその中から、“パーコール法”“タイミング法”“潤滑ゼリー”“着床前診断”という4つの手法について、どんな方法かを解説していきます。
まずは、産み分けの手法として古くから取り入れられている“パーコール法”について解説します。パーコール法とは、人工授精や体外受精などを行う際に、精液に含まれる不要な物質や異常がある精子などを取り除く方法です。
パーコール液と呼ばれる「分離試薬」に、精子を重層(幾重にも重ねること)して、遠心分離器にかけて分離させます。これは、X染色体を持つ精子の方がY染色体を持つ精子よりも重いといった特性を利用したものです。
遠心分離することで、底に沈んだ精子の割合は、より重さのあるX染色体を持つ精子の方が多くなります。X染色体を持つ精子と卵子を受精させることで、女の子が産まれる確率を高めるという手法です。
不妊治療中のご夫婦が、人工授精や体外受精の際に行うことができるというメリットがありますが、一方で確実な産み分けはできないというデメリットもあります。
一般的に、パーコール法によって産み分けできる確率は60~70%程度と言われています。中には成功率が50〜60%にとどまるという見方もあり、確実な産み分け方法ではないことがわかります。また、パーコール法を行ったからといって、必ずしも妊娠できるとは限りません。
“タイミング法”や“潤滑ゼリー”など、病院に行かなくてもできる産み分け方法もあります。それぞれ、詳しく解説していきます。
◆タイミング法
タイミング法とは、排卵日を予測し、精子の性質を考慮して最適と思われる日にセックスをすることで、自然妊娠による産み分けを目指す方法です。
一般的に、女性が生まれるX染色体を持つ精子は、膣内に射精後2~3日は生存し続けるとされています。X染色体を持つ精子は酸性に強くアルカリ性に弱いといった性質を持っています。そのため、膣内が酸性に傾く排卵日の2~3日前にセックスをすると、女性が産まれる確率が高くなるというメカニズムです。
一方、男性が産まれるY染色体を持つ精子が生存できるのは、24時間程度とされています。こちらは酸性に弱い性質のため、膣内がアルカリ性に傾く排卵日当日にセックスをすることが推奨されています。
タイミング法による産み分けの確率は、50~60%程度と言われています。
◆潤滑ゼリー
より手軽に行えるのが、潤滑ゼリーを用いた産み分け方法です。ゼリーを膣内に注入することで、膣内を酸性またはアルカリ性に近づけることができます。
前述のように、X染色体を持つ精子は酸性に強くアルカリ性に弱いため、膣の中が酸性に傾いていた方が、女性が産まれる確率が高くなります。その場合は、一般的にピンクゼリーなどと呼ばれる潤滑ゼリーを使います。
一方、Y染色体を持つ精子は酸性に弱いため、膣内をアルカリ性に近づける必要があります。この場合はグリーンゼリーなどと呼ばれる潤滑ゼリーを注入します。
ゼリーは通販で購入することもできますが、外国産などは成分が非公開だったり、日本では認められていない成分が含まれていたりすることがあります。不安な方は、病院で出してもらうと良いでしょう。
潤滑ゼリーで産み分けできる確率は、タイミング法と同じく50~60%程度と言われています。
病院で産み分け指導をしてもらう場合、実際にどれくらいの料金がかかるのか気になるところです。費用の設定は病院によっても違いがありますが、ある程度相場はあるため、参考までに知っておくと病院選びがスムーズになるでしょう。
初診の場合は初診料がかかり、2回目以降に必要となる再診料は2,000円前後が目安となります。
性交のタイミング指導だけであれば、保険が適用され、1回あたり数千円がかかります。自宅でも基礎体温から排卵日はある程度把握することができますが、病院で相談すると、超音波検査や尿検査の結果から、より正確に排卵日をとらえることが可能となります。そうした目的で、費用をかけてでも病院でタイミングの指導を受けるご夫婦がいるのです。
産み分け目的でピンクゼリーやグリーンゼリーを処方してもらう場合、目安として4〜5回分で8,000円〜1万円程度となります。産み分け用の潤滑ゼリーについては、通販などで購入する場合と大きく価格差がないため、病院で相談してみても良いでしょう。
パーコール法を行う場合、病院によって料金にばらつきはありますが、1回5万円ほどが相場です。パーコール法で選別した精子で人工授精を行うことになれば、別途1〜2万円がかかり、保険は適用外となります。
体外受精の場合は費用が高額になり、保険適用とならずに、1回あたり30〜60万円がかかります。しかし、国や自治体から助成金が出る制度もあり、条件を満たせば助成を受けながら体外受精を行うことが可能となるため、こちらも視野に入れてみましょう。
病院で繰り返し産み分け指導を受けたり、治療を受けたりすると、それなりに費用もかさみます。それでも確実な産み分けはできず、希望する性別の赤ちゃんを授からない可能性もあります。
時間と費用をかければ必ず産み分けに成功するというわけではないため、そのことは理解した上で産み分け指導を受け、少しでも確率を上げることを目的とするのが良いでしょう。
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【医師監修】産み分けゼリーってどんなもの?成分やリスクを解説します
病院でできる産み分け方法、病院に行かなくても自分でできる産み分け方法を紹介してきました。
いずれも試している人が多く、ある程度結果も情報もある産み分け方法ですが、ご覧いただいたように50%~60%程度と、確実に産み分けることは不可能であることが分かります。
一方で、B&C Healthcare(B&C Healthcare)が行っている“着床前診断”では、数ある産み分け法の中で最も高い確率(統計上98%以上と言われています。) で男女の産み分けができるというのをご存知でしょうか?
B&C Healthcareの着床前診断では、体外受精した受精卵が「胚盤胞」と呼ばれる状態に成長した段階で、数個の細胞を採取し、22組の常染色体と1組の性染色体をすべて調べます。
その上で、「XX(女性が産まれる受精卵)」「XY(男性が産まれる受精卵)」いずれか希望の染色体を持つ受精卵のみを子宮に戻すことで、高い確率で産み分けることができます。
もちろん、産み分けが可能なだけではありません。着床前診断で染色体異常がないかどうか調べることで、着床しやすく流産しにくい受精卵を選んで子宮に戻すことも可能になります。さまざまな産み分け方法がある中で、これだけ高い確率を誇るのは、着床前診断のみです。
より確率が高い産み分け方法をお探しの方、妊娠や出産に関してご不安を抱えている方、B&C Healthcareの着床前診断について詳しく知りたい方は、ぜひ一度B&C Healthcareに問い合わせしてみてはいかがでしょうか?