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【医師監修】いつから考えたらいい?不妊治療をステップアップするタイミングとは

2022.05.31

「年齢が上がると自然妊娠しにくくなる」のは、多くの人が知る事実です。その反面「年齢が上がっても不妊治療すればいつでも妊娠できる」と思っている方は意外に多く、不妊治療のスタートを遅らせる原因になっています。では、不妊治療は何歳から検討すればいいのでしょうか?また、どの段階でステップアップをしていけばいいのでしょうか?

 

この記事ではそれぞれの年齢別におけるステップアップの目安に加え、不妊治療に関するお悩みについて解説していきます。

 

不妊治療は早くスタートするほど効果が表れやすい

ご夫婦ともに「絶対子どもが欲しい!」と考えているなら、今すぐにでも不妊治療を始めたほうがいいでしょう。不妊治療は早ければ早いほど治療効果が見込めます。逆にいえば、年齢が上がるほど不妊治療でも妊娠しづらくなっていくのです。

 

加齢で妊娠しづらくなる理由には、大きく以下のものがあります。

 

・子宮の有病率が増える

・受精卵の染色体異常が増える

 

ひとつは、加齢によって子宮筋腫や子宮内膜症といった病気をもつ女性の割合が増えることです。病気の割合だけではなく、時間の経過とともに病気が進行して妊娠しづらくなるケースが増えていきます。ただし、病気の種類によっては投薬や手術で治療できることもあります。

 

もうひとつの理由は、受精卵の染色体異常の増加です。年齢が上がると、染色体や遺伝子に損傷をもつ卵子や精子が増えていきます。傷ついた卵子や精子が結びつくと、染色体異常のある受精卵が生じます。染色体異常のある受精卵は、子宮に着床する力がありません。無事に着床できたとしても、妊娠初期のうちにほとんどが流産してしまいます。

 

医学的にも倫理的にも受精卵の染色体異常を治療することはできないので、染色体の損傷が少ない若いうちに治療をはじめることが大切なのです。

 

不妊治療のステップとは?

不妊治療は段階的に進められます。これを「ステップアップ方式」と呼びます。

 

各ステップは以下の通りです。表の上にあるほど自然に近く、下にいくほど高度な生殖医療になります。

 

ステップ 具体的な方法
タイミング法 排卵日に合わせてセックスする
人工授精 処理した精液を子宮に注入する
体外受精 取り出した精子と卵子を体外(シャーレ)で受精させる
顕微授精 顕微鏡下で1つの精子を取り出し、卵子に注入する

 

不妊治療はスタートするタイミングが遅いとなかなか妊娠に結びつきません。赤ちゃんが欲しいと思った段階で、不妊検査だけでも早めに受けておきましょう。

 

 

【年齢別】不妊治療のステップ

ここでは不妊治療のステップについて、各年齢における目安をご紹介します。ここで提示するステップはあくまで目安であり、ご夫婦の状況によって適切なステップは異なります。詳しくは婦人科にて医師と詳しく相談してみてください。

 

20代・30代前半はタイミング法と人工授精

34歳まではまだまだ妊娠しやすい時期です。とくに20代のうちは自己流のタイミング法でも妊娠する確率が高いでしょう。なかなか妊娠できないときは、なんらかの病気や原因が隠れているかもしれません。6周期(半年)ほど経過しても妊娠しないようであれば、一度ご夫婦で不妊検査を受けることをおすすめします。

 

クリニックでは不妊検査と並行しつつ、タイミング法の指導や人工授精をおこないます。それぞれ6周期を目安におこないますが、妊娠が確認できないときは年齢に限らず医師からステップアップを提案されることがあります。

 

30代後半は体外受精を視野に

35歳を過ぎると、妊娠する力=妊孕力(にんようりょく)が急激に下がります。妊娠のしづらさはタイミング法や人工授精だけでなく、体外受精でも同じです。日本産科婦人科学会のARTデータによると、30代前半までは体外受精・顕微授精で赤ちゃんを出産できるのはおよそ20%です。しかし35歳を過ぎると徐々に低下し、40歳ではおよそ10%にまで低下してしまいます。

 

気長に治療をおこなう時期は過ぎているので、タイミング法と人工授精を3周期ずつおこなっても妊娠しないときは体外受精へのステップアップを検討しましょう。

 

40代からの不妊治療にはリミットを設定する

40歳を超えると、妊孕力は大幅に低下しています。時間の余裕がないので、タイミング法や人工授精は1周期ずつ。その後は体外受精や顕微授精にステップアップします。43歳を過ぎると、体外受精や顕微授精でも妊娠が難しくなります。43歳が体外受精で出産できるのは3.1%、46歳では0.8%です。

 

赤ちゃんと出会える確率はゼロではありませんが、厳しい数字であることは理解しておかなければなりません。また、40代以降の不妊治療が長期化すると心身ともに大きな負担です。トライすると決めたら「42歳まで頑張る!」というように、年齢や回数のリミットをあらかじめ設定しておくといいでしょう。この年代では無理に体外受精へステップアップせず、タイミング法や人工授精で様子を見るのもひとつの方法です。

 

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不妊治療のステップアップに関する悩み

ここからは不妊治療のステップに関するお悩みについて解説していきます。

 

不妊治療をステップアップしたいけれどお金が続かない

2022年4月からは体外受精や顕微授精などを含む不妊治療が保険適用となり、3割負担で治療を受けられます。助成金制度より金銭的なハードルが下がる見込みです。

 

ですが、それでも体外受精などの高度生殖医療は高額な費用がかかります。子どもが生まれれば育児にもお金がかかります。ただやみくもに突き進むのではなく、先の人生をよく考えて、使える予算や年齢の区切りを見つけておくことも大切です。

 

体外受精に踏み切れない

各ステップの中でも、体外受精以降は「とくにハードルが高い」と感じるご夫婦が多いようです。本当に体外受精したほうがいいのかとモヤモヤ考えているうちに、年月を過ごしてしまうパターンも少なくありません。

 

一般的に、体外受精へステップアップするタイミングは以下の場合です。

 

・卵管閉塞や子宮内膜症を指摘されている

・抗精子抗体があり、母体内で精子を殺してしまう

・無精子症または乏精子症を指摘されている

・女性の年齢が40歳以上

・AMH値が極端に低い

 

上のようなケースだと、タイミング法や人工授精で妊娠する可能性は高いとはいえません。いずれか1つでも当てはまる場合は、ひとまず体外受精の情報だけでも集めておきましょう。

 

体外受精で何度も失敗する

体外受精は1回で成功するとは限りません。勇気をもって体外受精へステップアップしたのに、なかなか妊娠できないというご夫婦も数多くいらっしゃいます。

 

体外受精が成功しない理由のひとつに「流産率の上昇」があります。年齢が上がるにつれて染色体異常をもつ受精卵の割合が増えますが、染色体異常のある受精卵のほとんどが妊娠中に流産してします。そして、体外受精では染色体異常の有無を見分けることはできません。

 

流産率を下げる方法はないのでしょうか?

近年注目されているのが「着床前診断」です。着床前診断では受精卵をひとつひとつ検査し、染色体や遺伝子の異常がないかを調べます。着床前診断で染色体異常の少ない胚を選べば、流産率は低下します。実際に日本産科婦人科学会の大規模調査でも、着床前診断の導入で流産率が約10%に低下したことが公表されました。

 

着床前診断で受精できると判断された受精卵は全体の約40%なので「着床前診断=確実に赤ちゃんと出会える」というわけではありません。しかし、繰り返す流産による心身のダメージを軽減し、費用や治療期間を大幅に削減できるメリットは大きいといえます。

 

着床前診断は民間でも受けられる時代へ

日本で着床前診断を受けるのは難しいとされてきましたが、最近では民間で着床前診断を受けることもできるようになりました。株式会社B&C Healthcareの着床前診断プログラムはクリニックのような細かい制限がありません。今まで審査に通らなかった方でも着床前診断を受けることが可能です。

 

B&C Healthcareの着床前診断は流産率を低下させるだけではなく、遺伝病のリスク回避や男女産み分けにも活用できます。「体外受精しても失敗するかも…」とお悩みのご夫婦にとってはひとつの選択肢になるでしょう。

 

 

まとめ

不妊治療はカップルそれぞれの事情を考慮してステップアップする必要があります。効率的に不妊治療をすすめたいときは、着床前診断を検討するのもひとつの方法です。B&C Healthcareでは無料で資料を請求できるので、ぜひご活用ください。

 

 

監修

一倉絵莉子 先生
六本木ヒルズクリニック

産婦人科医 / 六本木ヒルズクリニック 日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員 日本大学医学部卒業。川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。

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