株式会社B&C Healthcare 受精卵の染色体・遺伝子検査事業

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B&C Healthcare代表者インタビュー(前編)

2021.08.27

―B&C Healthcare社の成り立ちについて教えてください。

代表の小林は、これまで10年以上にわたり日本と欧米の医療連携を中心とした事業に携わってきました。
その中で、日本での着床前診断およびNIPT(新型出生前診断)の技術導入に携わり、複数の医療系企業や医療機関に対してコンサルティングを行い、2020年にB&C Healthcareを立ち上げました。
弊社は設立から間もない企業ではありますが、着床前診断に関する知識、経験、コネクションを持っています。また着床前診断およびNIPT(新型出生前診断)の染色体関連事業の経験が豊富なスタッフが在籍していますので、お客様の不安を解消しながら着床前診断を提供しています。

 

―日本の着床前診断の課題・現状について教えてください。

日本では着床前診断を受けるハードルが非常に高い状況です。
重い遺伝病により着床前診断でしか健康な子供を授かれないご夫婦、受精卵の異常により流産を繰り返しているケースでも許可を得られない場合があります。

徐々に件数は増えているものの、対象の疾患が限定されていたり、承認までに数年かかるなど、強い希望があったとしても患者が容易にアクセスできる技術ではないのが現状です。
特に不妊治療はタイムリミットがありますので、弊社のような検査機関の利用が選択肢に上がります。

 

―来年から不妊治療の保険適用が始まる見込みですが、影響はありますか?

保険適用により不妊治療全般のハードルは下がると思いますが、弊社が提供している着床前診断への影響は限定的だと思います。
先にお話した通り、着床前診断を実施するためには日本産科婦人科学会の承認が必要です。保険適用により審査基準が緩和されたとしても、弊社のお客様が望まれる「男女の産み分け」を目的とした着床前診断が許されることはないでしょう。

ちなみに着床前診断技術はアメリカで誕生しました。アメリカでは個人の権利が尊重されるため、産み分けが主目的であっても着床前診断は認められています。

―産み分けを希望してサービスに申し込まれる方が多いのでしょうか。

9割以上の方が産み分けを目的として申込みされます。中には遺伝病などの理由がある方もいらっしゃいますが、子宮に戻す受精卵の性別を「選べるなら選びたい」と考える人がほとんどです。
子供の性別は受精する精子の性染色体で決まります。受精卵の段階で性別は確定しているので、着床前診断を行えばその受精卵の性別を知ることができるのです。

「希望する性別の子供を授かるために着床前診断を受けるのはいかがなものか」
という意見もあるでしょうが、お客様の中にはご希望の性別の子供を授かれず、深刻に悩んでいる方も少なくありません。着床前診断によってその課題は解決できます。

子供の性別に対して強い希望を持っている方や、授かれずに苦しんでいる方にとって安全かつ合法的に利用できるサービスとして提供しています。

 

―お客様はどんな年代や家族構成の方がいらっしゃいますか。

すでに一人以上、子供を持たれている方がほとんどです。年代は20代から40代までいらっしゃいますが、30代後半から40代の方が多いですね。35歳以降は自然妊娠の確率が低下してくる年代で、染色体異常の確率は急上昇します。この点からも、着床前診断の実施はメリットがあると考えています。

 

―着床前診断を受ける場合は、自然妊娠が可能であっても体外受精のプロセスを経なくてはいけないのですよね。

着床前診断では受精卵の細胞の一部を取り出して検査をしますので、必ず体外受精が必要です。お客様にとっては採卵、移植が必要なので、心身の負担、時間やお金のコストは発生してしまいます。お客様には自然妊娠の経験しかない方もいれば、体外受精をおこなわれたことがある方もいらっしゃいます。体外受精により凍結した受精卵がある場合は、それを着床前診断することも可能です。

 

―B&C Healthcare社の着床前診断を受けるには、指定クリニックへ通院が必要なのでしょうか?

不妊治療を実施している婦人科クリニックであれば対応が可能です。弊社が連携しているクリニックは全国にありますので、地方在住の方であっても遠方のクリニックに通わなくてはいけないわけではありません。
希望されるクリニックが弊社とのお付き合いがない場合も、お客様からクリニックへ申し出ていただければ対応可能なケースが多いです。

クリニックで体外受精を実施いただいた受精卵を弊社提携の輸送会社がピックアップし、アメリカの検査機関に輸送します。お客様やクリニックでは複雑な手続きは不要です。

また、協力関係にあるクリニックの中では、受精卵の細胞だけ取り出して検査に出すフローを行っていただくケースもあります。この方法は受精卵の移動や解凍・再冷凍が発生しないため、受精卵を輸送する方法よりもリスクは下がります。

―お客様からよく聞かれる疑問や不安はありますか。

やはり「産み分けが実現する確率」について気にされる方が多いです。
弊社HPで実績を発表していますが、着床前診断による受精卵の選別後、胚移植、妊娠成立、出産というプロセスが発生するので、目標である希望の性別のお子さんを出産するまでに時間がかかるためです。

また胚移植の時点ではお客様とのやり取りは終了していますので、追跡が難しい状況となっています。ただ、これまで弊社で産み分けを実施された方から妊娠のご報告をいただくなど、成果を感じる機会はあります。

―妊娠率が75%強となっていますが、希望の性別の子供を出産するには何個程度受精卵が必要なのでしょうか。

弊社の料金体系では8個までは同料金なので、最大個数を検査に出される方が多いです。

一度の採卵で取れる卵子は個人差があるものの、5〜10個程度です。すべての卵子が受精卵として成熟するわけでもないので、8個程度の受精卵を検査に出すには2回ほど採卵が必要になります。

検査にかける8個の受精卵のうち、実は半分くらいは染色体異常があります。これは年齢が高くなるほど顕著に確率が上がります。異常のある受精卵を子宮に戻しても妊娠は成立しませんので、実質的に使える受精卵は4個程度となります。

受精卵の男女比はほぼ1:1なので、希望の性別で異常のない受精卵が2個できる計算になります。
妊娠率が75%である場合、理論的には2回の胚移植で出産まで到達するので、1度の検査によって希望する性別の子供を得られます。
実際に、弊社の着床前診断を受けた方のうち95%以上の方が、希望の性別の受精卵を1個以上得ることができています。

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